icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻11号

2006年10月発行

文献概要

特集 手術のタイミングとポイント Ⅲ.網膜・硝子体

眼内腫瘍の治療選択

著者: 後藤浩1

所属機関: 1東京医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.189 - P.193

文献購入ページに移動
はじめに

 眼内腫瘍は臨床的に診断が確定してもすべての症例に治療の適応があるわけではなく,特に良性腫瘍では視機能に影響がない限り,治療を必要としないことも多い。良性,悪性を問わず,治療を行うことになった場合の外科的治療法としては,腫瘍のみを切除して眼球を温存する局所切除術と眼球摘出術に大別することができる。一方,眼内腫瘍ではこのような手術療法以外にも光凝固や冷凍凝固,放射線療法,化学療法といったさまざまな治療の選択肢がある。特に最近では,ぶどう膜悪性黒色腫や網膜芽細胞腫といった悪性度の高い眼内腫瘍に対しても,外科的治療法以外の眼球温存療法の適応が拡大しつつある。

 本稿では眼内腫瘍に対する治療の適応や時期,手術療法の実際,さらに外科的治療以外の方法についても紹介する。

参考文献

1)de Smet MD, Stark-Vancs V, Kohler DR et al:Intraocular levels of methotrexate after intravenous administration. Am J Ophthalmol 121:442-444, 1996
I]-iodo amphetamine single photon emission computed tomography for the diagnosis of uveal malignant melanoma. Am J Ophthalmol108:937-939, 2001
3)矢野真知子・小田逸夫・田淵祥子:転移性脈絡膜腫瘍53例の検討.臨眼45:1347-1350,1991
4)Freedman MI, Folk JC:Metastatic tumors to the eye and orbit:Patient survival and clinical characteristics. Arch Ophthalmol 105:1215-1219, 1987
5)市岡 博:眼球摘出術.永田 誠(監修):眼科マイクロサージェリー.第5版.772-774,エルセビア・ジャパン,東京,2005
6)後藤 浩:ぶどう膜悪性黒色腫の摘出眼球.眼科プラクティス8(いますぐ役立つ眼病理):216-218,2006
7)吉川 洋:網膜芽細胞腫の摘出眼球.眼科プラクティス8(いますぐ役立つ眼病理):219-221,2006
8)Shields JA, Shields CL, Shah P et al:Partial lamellar sclerouvectomy for ciliary body and choroidal tumors. Ophthalmology 98:971-983, 1991
9)後藤 浩:悪性黒色腫の部分切除.眼科36:1325-1333,1994
10)小島孚允:眼内腫瘍の局所切除術.あたらしい眼科19:579-584,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?