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特集 手術のタイミングとポイント Ⅲ.網膜・硝子体
眼内腫瘍の治療選択
著者: 後藤浩1
所属機関: 1東京医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.189 - P.193
文献購入ページに移動はじめに
眼内腫瘍は臨床的に診断が確定してもすべての症例に治療の適応があるわけではなく,特に良性腫瘍では視機能に影響がない限り,治療を必要としないことも多い。良性,悪性を問わず,治療を行うことになった場合の外科的治療法としては,腫瘍のみを切除して眼球を温存する局所切除術と眼球摘出術に大別することができる。一方,眼内腫瘍ではこのような手術療法以外にも光凝固や冷凍凝固,放射線療法,化学療法といったさまざまな治療の選択肢がある。特に最近では,ぶどう膜悪性黒色腫や網膜芽細胞腫といった悪性度の高い眼内腫瘍に対しても,外科的治療法以外の眼球温存療法の適応が拡大しつつある。
本稿では眼内腫瘍に対する治療の適応や時期,手術療法の実際,さらに外科的治療以外の方法についても紹介する。
眼内腫瘍は臨床的に診断が確定してもすべての症例に治療の適応があるわけではなく,特に良性腫瘍では視機能に影響がない限り,治療を必要としないことも多い。良性,悪性を問わず,治療を行うことになった場合の外科的治療法としては,腫瘍のみを切除して眼球を温存する局所切除術と眼球摘出術に大別することができる。一方,眼内腫瘍ではこのような手術療法以外にも光凝固や冷凍凝固,放射線療法,化学療法といったさまざまな治療の選択肢がある。特に最近では,ぶどう膜悪性黒色腫や網膜芽細胞腫といった悪性度の高い眼内腫瘍に対しても,外科的治療法以外の眼球温存療法の適応が拡大しつつある。
本稿では眼内腫瘍に対する治療の適応や時期,手術療法の実際,さらに外科的治療以外の方法についても紹介する。
参考文献
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