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特集 手術のタイミングとポイント Ⅳ.角膜
結膜手術の適応と術式
著者: 奥村直毅1 横井則彦1
所属機関: 1京都府立医科大学大学院医学研究科視覚機能再生外科学
ページ範囲:P.228 - P.236
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結膜手術は角膜手術に比べるとこれまで比較的マイナーな存在であった。しかし内科的には難治な疾患でも外科的にアプローチすることで良好な治療効果が得られることが多いため,結膜手術が注目を集め盛んに行われるようになってきた。例えば,結膜弛緩症といった不定愁訴の原因疾患も外科的にうまく治療できることが知られるようになってきている。特に,quality of life(QOL)の向上という点からみて結膜手術の重要性は次第に増してきている。ここでは結膜手術に踏み切るタイミングとそのポイントについて解説してみたい。
結膜手術は角膜手術に比べるとこれまで比較的マイナーな存在であった。しかし内科的には難治な疾患でも外科的にアプローチすることで良好な治療効果が得られることが多いため,結膜手術が注目を集め盛んに行われるようになってきた。例えば,結膜弛緩症といった不定愁訴の原因疾患も外科的にうまく治療できることが知られるようになってきている。特に,quality of life(QOL)の向上という点からみて結膜手術の重要性は次第に増してきている。ここでは結膜手術に踏み切るタイミングとそのポイントについて解説してみたい。
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