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特集 手術のタイミングとポイント Ⅳ.角膜
外傷・熱化学腐食に対する手術適応とタイミング
著者: 近間泰一郎1
所属機関: 1山口大学大学院医学系研究科情報解析医学系学域眼科学分野
ページ範囲:P.238 - P.243
文献購入ページに移動はじめに
眼外傷は,症例ごとにその受傷機転,病態あるいは障害の程度が異なり,それぞれの症例に最も適した治療法を迅速に選択し実行しなければならない。すなわち,それぞれの症例が手術を要するのか保存的療法でよいのかを見極めることと,手術が必要と判断した症例ではどのタイミングで行うかが予後を決める重要な因子の1つとなる。一般に外傷では手術が必要となる症例が多く,薬物療法は感染予防や炎症の沈静化などを目的とした補助的な例が多い。また,眼外傷では,明らかな所見が角膜あるいは結膜といった前眼部にみられたとしても,打撲による鈍的外力による眼内各組織の障害の可能性や,自覚症状はなくとも異物の飛入(眼内異物)などあらゆる障害の可能性を念頭において診察する必要がある。
本稿では,角膜裂傷や熱化学腐食など角膜を中心に生じる種々の外傷に対する初期対応と手術適応を決めるうえで重要な所見を提示し,手術に踏み切るべきタイミングを明確にしたい。
眼外傷は,症例ごとにその受傷機転,病態あるいは障害の程度が異なり,それぞれの症例に最も適した治療法を迅速に選択し実行しなければならない。すなわち,それぞれの症例が手術を要するのか保存的療法でよいのかを見極めることと,手術が必要と判断した症例ではどのタイミングで行うかが予後を決める重要な因子の1つとなる。一般に外傷では手術が必要となる症例が多く,薬物療法は感染予防や炎症の沈静化などを目的とした補助的な例が多い。また,眼外傷では,明らかな所見が角膜あるいは結膜といった前眼部にみられたとしても,打撲による鈍的外力による眼内各組織の障害の可能性や,自覚症状はなくとも異物の飛入(眼内異物)などあらゆる障害の可能性を念頭において診察する必要がある。
本稿では,角膜裂傷や熱化学腐食など角膜を中心に生じる種々の外傷に対する初期対応と手術適応を決めるうえで重要な所見を提示し,手術に踏み切るべきタイミングを明確にしたい。
参考文献
1)Laatikainen L, Mattila J:The use of tissue plasminogen activator in post-traumatic total hyphaema. Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 234:67-68, 1996
2)Roper-Hall MJ:Thermal and chemical burns. Trans Ophthalmol Soc U K 85:631-653, 1965
3)木下 茂:角結膜腐蝕.眼科手術3:45-49,1990
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