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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻11号

2006年10月発行

文献概要

特集 手術のタイミングとポイント Ⅴ.眼瞼,斜視

霰粒腫―手術に踏み切るタイミング

著者: 三戸秀哲1

所属機関: 1井出眼科病院

ページ範囲:P.271 - P.274

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はじめに

 霰粒腫は,眼瞼に生じる無痛性の硬結として大昔から知られている疾患である。一般眼科診療で「瞼が腫れた」との主訴で来た患者の多くに眼瞼の硬結を触知し,霰粒腫と臨床診断する機会が毎日のようにある。

 しかし多くの教科書で霰粒腫とは,「瞼板に生じる慢性炎症性肉芽腫」と記載されており,いまひとつピンとこないのが現状である。よく理解できないから治療方針が決められないし,ましてや炎症なのにどうして手術するのだろうかと疑問もわいてくる。

 そういう状態を脱却するには,まず霰粒腫の病態と構造を理解すべきである。粉瘤などの疾患と同様,霰粒腫は貯留囊胞である(図1)1)

 なお,病理組織学的に囊胞とは通常上皮成分で裏打ちされたものであるので,貯留囊胞は厳密には真の囊胞ではない。病理の専門医と話すときは言葉の定義に注意する。

参考文献

1)三戸秀哲:霰粒腫―新しい概念と手術顕微鏡下所見.あたらしい眼科20:1631-1634,2003
2)Ozdal PC, Codere F, Callejo S et al:Accuracy of the clinical diagnosis of chalazion. Eye 18:135-138, 2004
3)Ben Simon GJ, Huang L, Nakra T et al:Intralesional triamcinolone acetonide injection for primary and recurrent chalazia. Is it really effective? Ophthalmology 112:913-917, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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