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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻12号

2006年11月発行

文献概要

臨床報告

超音波乳化吸引術における超音波連続発振モードとインクリメンタルパルスモードとの前向き検討による比較

著者: 山田晴彦1 山田英里2 松田秀幸3

所属機関: 1有澤総合病院眼科 2山田眼科医院 3株式会社ニデック医学営業部

ページ範囲:P.1937 - P.1942

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要約 目的:超音波水晶体乳化吸引術での連続発振モードとインクリメンタルパルスモードとの比較。対象:超音波水晶体乳化吸引術を行った134眼を対象とした。内訳は連続発振49眼,ハイパルス45眼,ローパルス40眼で,超音波発振以外の手術条件は統一した。結果:超音波発振時間は連続発振群で有意に長く,超音波エネルギーは連続発振群よりもパルス群で短く,ローパルス群とは有意差があった。平均超音波出力,手術時間,角膜内皮細胞減少率については,3群間に有意差がなかった。結論:パルスモードを使うことで超音波発振時間を短縮できるが,破砕と吸引効率が悪くなり,超音波発振時間が延長する。通常の硬さの核では連続発振モードよりもパルスモードを用いたほうが眼球への侵襲が小さいと思われる。

参考文献

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12)田代順子:白内障手術後の角膜内皮細胞数の変化.眼臨 92:899-901,1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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