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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻12号

2006年11月発行

文献概要

臨床報告

北里大学における片眼性眼球突出の検討

著者: 岸原紘子1 市邉義章1 清水公也1

所属機関: 1北里大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1957 - P.1960

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要約 目的:片眼性眼球突出の自験例の報告。対象と方法:過去25か月間に片眼性眼球突出と診断した17例を対象とし,診療録の記述をもとに検索した。結果:男性12例,女性5例であり,年齢は21~68歳(平均54歳)であった。炎症性偽腫瘍7例(41%),甲状腺眼症3例(17%),眼窩蜂巣炎2例(12%)などがあった。主な臨床症状は,結膜充血88%,眼球運動障害76%,結膜浮腫47%であった。治療として,視力または眼球運動障害が強い例にはステロイドパルス療法,軽症例には副腎皮質ステロイド薬内服,眼位または眼球運動障害に対しては手術を行った。結論:良性疾患が片眼性眼球突出の主要原因であった。

参考文献

1)内薗久人・松葉賢一・可児一孝・他:神大眼科5年間の一側性眼球突出の統計.眼臨 67:228-232,1973
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3)Roy RH:Ocular Differential Diagnosis. 4th ed. 3-52, Lea & Febiger, Philadelphia, 1989
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6)中嶋理子・小笠原孝祐・浅倉章子・他:甲状腺眼症による複視に対する放射線療法後の手術.臨眼 49:1663-1666,1995
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8)水野嘉信・麻薙 薫・四倉次郎・他:病理組織診断を行った原発性眼窩腫瘍56例の検討.あたらしい眼科 22:850-852,2005
9)高村 浩:眼球突出・陥凹.眼科 45:1717-1729,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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