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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻12号

2006年11月発行

文献概要

臨床報告

マイトマイシンC併用線維柱帯切除術後の眼圧日内変動

著者: 福田匠1 中元兼二1 安田典子1 古澤千晶1

所属機関: 1東京警察病院眼科

ページ範囲:P.1961 - P.1963

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要約 目的:原発開放隅角緑内障(POAG)におけるマイトマイシンC(MMC) 併用線維柱帯切除術後の眼圧日内変動を調べる。症例と方法:対象は初回MMC併用線維柱帯切除術を施行され,術後無治療で2か月以上経過したPOAG 20例31眼である。眼圧は,入院にてGoldmann圧平眼圧計で10,13,16,19,22,1,3および7時に測定した。結果:術後1日平均眼圧は9.3±3.5mmHgであった。術後の全対象の各測定時刻の眼圧には有意な変動があり,10時の眼圧( 9.9±3.9mmHg)は1時の眼圧(8.8±3.5mmHg)より有意に高かった。術後1日平均眼圧と術後眼圧変動幅の間には,有意な正の相関を認めた(R=0.456)。結論:MMC併用線維柱帯切除術後の眼圧は日中高く夜間は低く日内変動する。また,術後の眼圧日内変動をより小さくするためには,術後眼圧をできるだけ低くする必要がある。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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