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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻12号

2006年11月発行

臨床報告

水溶性チモロールから熱応答ゲル化製剤への変更

著者: 井上賢治1 曽我部真紀1 若倉雅登1 井上治郎1 富田剛司2

所属機関: 1井上眼科病院 2東京大学大学院医学系研究科眼科学

ページ範囲:P.1971 - P.1976

文献概要

要約 目的:水溶性チモロールから熱応答ゲル化チモロールに変更したときの眼圧下降効果と副作用の検討。対象と方法:0.5%水溶性チモロールを1日2回点眼中の緑内障または高眼圧患者103例103眼を対象とした。年齢は33~84歳(平均66歳)であった。点眼を0.5%熱応答ゲル化チモロール1日1回に変更し,その後1か月ごとに眼圧を3か月間測定し,両点眼薬の使用感とどちらを好むかを調査した。結果:変更前の眼圧は16.6±2.6mmHg,変更後の平均値は15.7~15.9mmHgであり,有意に下降した(p<0.0001)。使用感は水溶性チモロールではしみる,熱応答ゲル化チモロールではべたつくまたはしみるが多かった。11例が水溶性チモロール,62例が熱応答ゲル化チモロールを選択した。結論:熱応答ゲル化チモロールには水溶性チモロールと同等の眼圧下降効果がある。点眼時の使用感は水溶性チモロールが優れていたが,1日1回点眼の利便性からから熱応答ゲル化チモロールが好まれた。

参考文献

0.5% Study Group:Efficacy and tolerability of timolol maleate ophthalmic gel-forming solution versus timolol ophthalmic solution in adults with open-angle glaucoma or ocular hypertension:A six-month, double-masked, multicenter study. Clin Ther 23:440-450, 2001
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XE.眼臨 95:137-139,2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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