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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻13号

2006年12月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

CO2レーザーを使用したMuller筋タッキング法による眼瞼下垂手術

著者: 宮田信之1 金原久治1 岡田栄一1 水木信久2

所属機関: 1岡田眼科 2横浜市立大学医学部眼科学講座

ページ範囲:P.2037 - P.2040

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要約 目的:炭酸ガスレーザーを併用したMuller筋タッキングによる眼瞼下垂手術の報告。対象と方法:過去5年間に手術で矯正した眼瞼下垂160眼を対象とした。男性58眼,女性102眼であり,年齢は28~92歳(平均68歳)であった。局所麻酔の後,炭酸ガスレーザーで皮膚を切開し,さらに眼瞼挙筋とMuller筋間を剝離する。Muller筋を同定し,7-0ナイロン糸で2か所にタッキングする。効果を確認した後,皮膚縫合を行う。結果:手術は15~30分で終了した。挟瞼器は使用せず,術中の出血は少なかった。160眼すべてで眼瞼下垂が改善した。瞼裂幅は平均1.85mm拡大した。過剰矯正または角膜びらんはなかった。2眼で眼瞼下垂が再発した。結論:炭酸ガスレーザーを併用したMuller筋タッキングによる眼瞼下垂手術は安全で侵襲が小さく,確実な手術野が確保でき,皮膚を縫合する前の仮固定の状態で挙上効果を確認できる優れた術式である。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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