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連載 日常みる角膜疾患36
ドライアイ(涙液減少症)
著者: 高橋典久1 近間泰一郎1 西田輝夫1
所属機関: 1山口大学医学部分子感知医科学講座(眼科学)
ページ範囲:P.250 - P.253
文献購入ページに移動患者:59歳,女性
主訴:両眼の乾燥感,眼痛,羞明
現病歴:両眼の羞明を自覚し近医を受診し,両眼の角膜に瞼裂に一致したびらんを指摘された。両眼の乾性角結膜炎の診断でヒアルロン酸点眼,抗生剤点眼を処方された。いったんは軽快したが,その後ふたたび点状表層角膜症が発症して増悪するため,加療目的で当科を紹介され受診した。
既往歴:リウマチ性周辺部角膜潰瘍,慢性関節リウマチ,高血圧。
家族歴:特記すべきことはない。
初診時所見:矯正視力は右眼0.2,左眼0.4,眼圧は右眼8mmHg,左眼8mmHgであった。涙液分泌量はシルマーテストⅠ法で右眼3mm,左眼4mmであった。細隙灯顕微鏡検査では両眼にフルオレセイン染色で瞼裂に一致した点状表層角膜症(A2D3),糸状角膜炎,メッシュワーク状の物質の付着を認めた。また,鼻側結膜に上皮障害を認めた(図1)。
治療経過:右眼上下涙点,翌週に左眼上下涙点に涙点プラグを挿入した。術直後より自覚症状の著明な改善が得られ,涙点プラグ装用4週間目には左眼に点状表層角膜症(A1D1)が残存するものの角結膜障害はほぼ消失した(図2)。矯正視力は右眼1.0,左眼1.2と改善した。
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