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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻3号

2006年03月発行

文献概要

特集 第59回日本臨床眼科学会講演集 (1)

Advancement rotation flapを用いた翼状片手術の検討

著者: 鈴木佑佳1 土屋祐介1 権田恭広1 杤久保哲男1 棚橋雄平2

所属機関: 1東邦大学医学部第一眼科学教室 2東洋眼科医院

ページ範囲:P.291 - P.295

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Advancement rotation flap(ARF)とは,形成外科の分野で皮膚欠損に対し皮弁を用いて被覆する際の手法である。筆者らはARFの手法を用いた翼状片手術を55例59眼に施行した。平均年齢は65.3±12.1歳,術後平均観察期間は15.8±12.9か月である。再発は59眼中2眼(3.3%)にあり,再手術を必要とするものはなかった。術者による再発率は熟練者8眼中0眼(0%),眼科経験3~4年では51眼中2眼(3.9%)であった。以上の成績はARFを用いた翼状片手術が経験の浅い術者でも再発率が低く,再発防止に行われる有茎結膜弁移植法のなかでは有用であることを示している。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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