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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻3号

2006年03月発行

臨床報告

「眼サルコイドーシス診断の手引き」の改訂―陽性項目数の検討

著者: 飛鳥田有里1 石原麻美1 中村聡1 林清文1 水木信久1

所属機関: 1横浜市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.383 - P.387

文献概要

過去35か月間に受診したぶどう膜炎患者159例につき,現行の「眼サルコイドーシス診断の手引き」とその改訂案に記述されている各項目の感度と特異度を検討した。患者の内訳は,組織学的に診断が確定したサルコイドーシス78人と,それ以外の原因が明らかなぶどう膜炎患者81人である。後者にはべーチェット病40人と原田病21人が含まれている。現行の手引きによるサルコイドーシス診断の感度は84.6%,特異度は38.3%であった。改訂案によると,2項目以上を陽性とするときには感度83.3%,特異度60.5%であり,3項目以上を陽性とするときには感度69.2%,特異度87.7%であった。以上から,感度を重視するならば2項目以上,特異度を重視するならば3項目以上を陽性とするのが適切であると結論される。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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