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連載 日常みる角膜疾患37
ヘルペス性角膜炎(実質型)
著者: 川本晃司1 近間泰一郎1 西田輝夫1
所属機関: 1山口大学医学部分子感知医科学講座(眼科学)
ページ範囲:P.428 - P.430
文献購入ページに移動患者:24歳,男性
主訴:右眼眼痛,流涙,眼脂
現病歴:2000年頃からハードコンタクトレンズ(HCL)を使用していた。2003年2月から右眼充血,眼痛,流涙,眼脂が出現した。眼痛が増悪したために同年3月15日に近医眼科を受診し,角膜ヘルペスと診断されゾビラックス眼軟膏を処方された。しかし次第に実質浮腫が増悪したために3月27日当科外来を受診した。
家族歴:なし。
初診時所見:当科初診時視力は右0.01(0.02×S-6.00D),左(1.0×HCL)であった。眼圧は右20mmHg,左12mmHgであった。眼瞼皮膚には異常は認められなかった。細隙灯顕微鏡検査では右眼眼球結膜に軽度の充血を認めた。右眼角膜には中央部角膜実質に実質浮腫による混濁を認めた(図1a)。実質浮腫の部位に一致してデスメ膜皺襞がみられ,同部位に一致して内皮面には角膜後面沈着物がみられた。角膜中央部に上皮下浮腫を認め,フルオレセイン染色では上皮下浮腫に伴ってみられるdark spotを認めた(図1b)。左眼角膜には異常所見は認められなかった。前房内には炎症細胞は認められず,水晶体,硝子体,網膜には混濁などの異常所見は認められなかった。角膜知覚検査では右眼30mm(クシュボネ)と知覚の低下が認められた。
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