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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻4号

2006年04月発行

文献概要

特集 第59回日本臨床眼科学会講演集 (2) 学会原著

同一処方者によるオルソケラトロジー治療の1年以上観察結果

著者: 前谷悟1 曽根隆志2 相田潤3 前谷満壽1

所属機関: 1前谷眼科医院 2尾道JA病院眼科 3北海道大学大学院歯学研究科口腔健康科学講座

ページ範囲:P.501 - P.507

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目的:近視に対するオルソケラトロジー治療の長期効果の判定。対象と方法:近視眼35例67眼にオルソケラトロジー治療を行った。男性25眼,女性42眼で,年齢は8~39歳(平均13歳)である。近視は-3D未満が19眼,-3D以上-6D未満が37眼,-6~-13Dが11眼である。裸眼視力は48眼(72%)が0.1以下であった。全例で1年以上の経過を観察した。治療には酸素透過度が高いハードコンタクトレンズを使用し,一人の医師が処方した。裸眼視力,自動屈折計,角膜形状測定装置などで治療効果を判定した。結果:裸眼視力は60眼(90%)が1.0以上になった。治療効果は装用開始直後から現れる症例が多かった。効果は12か月以降も持続したが,21か月頃から低下してきた。装用開始から12か月の時点での角膜形状分析では,非対称成分による不正乱視が多かった。結論:オルソケラトロジー治療の効果は早期から良好であったが,20か月を過ぎてのレンズ交換が大きな課題である。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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