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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻5号

2006年05月発行

文献概要

特集 第59回日本臨床眼科学会講演集 (3)

眼脂培養からの同定菌のフルオロキノロンに対する耐性の比較検討

著者: 藤紀彦1 山下美恵2 田原昭彦1

所属機関: 1産業医科大学眼科学教室 2社会保険稲築病院眼科

ページ範囲:P.703 - P.706

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目的:眼脂から培養同定された細菌の各種フルオロキノロンに対する耐性率の検索。対象と方法:入院患者と眼科外来患者延べ74人から眼脂を採取し,培養で細菌85株が同定された。ガチフロキサシン(以下,GFLX),レボフロキサシン(以下,LVFX),シプロフロキサシン(以下,CPFX)に対する細菌85株の耐性を検索した。結果:85株の耐性率は,GFLX 45%,LVFX 57%,CPFX 59%であった。グラム陽性菌63株ではそれぞれ54%,68%,68%であり,グラム陰性菌22株では18%,23%,32%であった。結論:眼脂から培養で得られた細菌の耐性率は,GFLXが最も低く,LVFXとCPFXがこれに続いた。

参考文献

1)Mather R, Karenchak LM, Romanowski EG et al:Fourth generation fluoroquinolons:new weapons in the arsenal of ophthalmic antibiotics. Am J Ophthalmol 133:463-466, 2002
2)宇野敏彦・秦野 寛・大橋裕一:ガチフロキサシンの眼科臨床分離株に対する抗菌力.あたらしい眼科 21:1547-1553,2004
3)松崎 薫・小山英明・渡部恵美子・他:眼科領域における細菌感染起因菌のgatifloxacin感受性について.The Japanese Journal of Antibiotics 58:45-49,2005
4)藤 紀彦・田原昭彦:眼脂培養によるキノロン耐性菌の検討.臨眼 58:1177-1180,2004
5)藤 紀彦・鈴木 亨・田原昭彦:入院患者の眼脂培養による細菌検査.臨眼 56:489-492,2002
6)Takei M, Fukuda H, Kishii R et al:Target preference of 15 quinolones against Staphylococcus aureus, based on antibacterial activities and target inhibition. Antimicrob Agent Chemother 45:3544-3547, 2001
7)國西芳治・永田美由紀・緒方寛史・他:Gatifloxacinのモルモットおよびマウスにおける光毒性試験.薬理と治療 26:1651-1654,1998
8)草嶋久生・石田了三・内田 広:ニューキノロン系抗菌薬gatifloxacinおよび類薬のモルモットにおける光毒性.薬理と治療 26:1655-1660,1998
9)藤 紀彦・田原昭彦:MRSAのクロラムフェニコールに対する感受性.あたらしい眼科 57:439-443,2003
10)藤 紀彦・田原昭彦:眼脂培養による細菌の薬剤感受性.臨眼 57:439-443,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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