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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻5号

2006年05月発行

文献概要

特集 第59回日本臨床眼科学会講演集 (3)

巨大血腫と滲出性網膜剝離を伴った加齢黄斑変性に対する硝子体手術

著者: 渡邊恵美子1 寺松徹1 前澤彰1 田中住美2

所属機関: 1帝京大学医学部眼科学教室 2三井記念病院眼科

ページ範囲:P.751 - P.755

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目的:巨大血腫と滲出性網膜剝離を伴う加齢黄斑変性3眼に行った硝子体手術の報告。症例と経過:症例は65歳女性,78歳男性,87歳男性で,それぞれ発症から5日,3日,1日であった。網膜を180°から360°にわたり硝子体基底部後縁付近で切開し,網膜下血腫を除去した。2眼に大きな色素上皮裂孔があり血腫と網膜色素上皮の分離が困難で,網膜色素上皮欠損が残った。最終視力は色素上皮欠損がない1眼で0.1,これがある2眼ではそれぞれ0.03,0.01であった。結論:網膜下巨大血腫に対し今回行った硝子体手術は有効であった。

参考文献

1)El Baba F, Jarrett WH, Harbin TS et al:Massive hemorrhage complicating age-related macular degeneration. Ophthalmology 93:1581-1592, 1986
2)山崎厚志・佐々木勇二・隈上武志:加齢黄斑変性に伴う漏斗状網膜下血腫に対し血腫除去術を行った1例.眼臨 95:957-959,2001
3)西浦正敏・池田恒彦・澤 浩・他:多量の眼内出血をきたした加齢黄斑変性の3例.あたらしい眼科 15:737-740,1998
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5)安藤伸朗:網膜下血腫に対し網膜切開を行わない硝子体手術療法.眼科 42:331-336,2000
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7)児玉有紀・今村 裕・南 政宏・他:多量の網膜下血腫を伴う加齢黄斑変性に対する硝子体手術に液体パーフルオロカーボンが有効であった2例.眼紀 54:902-906,2003
8)佐藤孝樹・植木麻理・片岡英樹・他:巨大網膜下凝血塊をきたした加齢黄斑変性に対する硝子体手術.眼臨 98:803-806,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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