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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻5号

2006年05月発行

文献概要

特集 第59回日本臨床眼科学会講演集 (3)

治療薬選択を目的としたラタノプロスト,チモロール・ゲル点眼薬の4週試用の眼圧下降効果

著者: 橋本尚子1 原岳12 水流忠彦1

所属機関: 1自治医科大学眼科学講座 2原眼科病院

ページ範囲:P.757 - P.759

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目的:ラタノプロストとチモロール・ゲル点眼薬の組み合わせと眼圧下降効果の検討。対象と方法:正常眼圧緑内障32例32眼を対象とした。年齢は38~69歳(平均55歳)である。ラタノプロストを4週間点眼し,その後チモロール・ゲルを4週間追加点眼した。眼圧を4週間ごとに8週間まで測定した。眼圧は平均14.9±2.3mmHgであった。結果:ラタノプロストの4週間点眼後の眼圧は平均12.2±2.3mmHgであり,有意な眼圧下降が得られた(p<0.01)。チモロール・ゲルを追加した2剤を4週間点眼後の眼圧は平均11.2±2.8mmHgであり,追加前よりも有意な眼圧下降が得られた(p<0.01)。結論:ラタノプロストの単独点眼で有意な眼圧効果が得られた。チモロール・ゲルを追加することでさらに強い眼圧効果が得られ,ラタノプロスト単剤では効果が不十分な症例にも有効であった。

参考文献

1)Collaborative Normal-Tension Glaucoma Study Group:The effectiveness of intraocular pressure reduction in the treatment of normal-tension glaucoma. Am J Ophthalmol 126:498-505, 1998
2)Collaborative Normal-Tension Glaucoma Study Group:Comparison of glaucomatous progression between untreated patients with normal-tension glaucoma and patients with therapeutically reduced intraocular pressures. Am J Ophthalmol 126:487-497, 1998
3)森田有紀・堀川俊二・安井正和:緑内障患者のコンプライアンス―点眼薬の適正使用に向けて.医薬ジャーナル 35:1813-1818,1999
4)橋本尚子・原 岳・高橋康子・他:正常眼圧緑内障に対するチモロール・ゲルとラタノプロスト点眼薬の眼圧下降効果.臨眼 57:288-291,2003
5)橋本尚子・原 岳・高橋康子・他:正常眼圧緑内障に対するチモロール・ゲル,ラタノプロスト点眼の短期使用と長期眼圧下降効果.日眼会誌 108:477-481,2004
6)Abedin S, Simmons RJ, Grant WM:Progressive low-tension glaucoma. Treatment to stop glaucomatous cupping and field loss when these progress despite normal intraocular pressure. Ophthalmology 89:1-6, 1982
7)de Jong N, Greve EL, Hoyng PF et al:Results of a filtering procedure in low tension glaucoma. Int Ophthalmol 13:131-138, 1989

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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