icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻5号

2006年05月発行

文献概要

特集 第59回日本臨床眼科学会講演集 (3)

超低出生体重児の未熟児網膜症発症率と治療率

著者: 伊藤彰1 渡邊悠里1

所属機関: 1千葉市立海浜病院眼科

ページ範囲:P.765 - P.768

文献購入ページに移動
目的:出生体重が1,000g未満の超低出生体重児での未熟児網膜症の発症頻度,治療を要した頻度(治療率),発症と進行に関する因子の検討。対象と方法:2003年までの3年間に当院新生児科に入院した超低出生体重児のうち,眼底検査を行い経過が追えた60例60眼を対象とした。両眼発症の場合には,より進行した眼を選んだ。進行例には光凝固を行った。結果:網膜症は90%に発症した。光凝固は32%に施行した。発症は在胎週数,人工換気日数,酸素投与日数と相関し,出生体重とApgarスコアには相関しなかった。治療率はいずれの項目とも関連しなかった。結論:今回の検討項目については,超低出生体重児での未熟児網膜症の進行悪化に関連する因子を同定できなかった。

参考文献

1)永田 誠・寺内博夫・竹内 篤・他:多施設による未熟児網膜症の研究.その1.極小未熟児における未熟児網膜症の発症と治療成績.日眼会誌 92:646-657,1988
2)平岡美依奈・渡辺とよ子・川上 義・他:超低出生体重児における未熟児網膜症:東京都他施設研究.日眼会誌 108:600-605,2004
3)徳島忠弘・中村友彦・田村正徳:重症未熟児網膜症の治療成績と治療成績からみた治療時期の検討.未熟児新生児学会誌 15:93-98,2003
4)伊藤大藏・大庭静子・秋本政博・他:出生体重1000g以下の未熟児の推移―症例数・死亡率・網膜症発症状況.眼臨 93:591-595,1999
5)十川治恵・山下啓行・榊 保堅・他:極低出生体重児における未熟児網膜症の検討.臨眼 52:1063-1066,1998
6)秋澤尉子・黄 世俊・百野伊恵・他:未熟児網膜症の検討.臨眼 50:1477-1481,1996
7)杉本早紀・古川理子・初川嘉一・他:超および極小未熟児の未熟児網膜症発症率と治療成績.臨眼 49:1101-1104,1995
8)吉田希望・大野卓治・逸見睦子:過去10年間の極小未熟児における未熟児網膜症の発症と治療成績.眼臨 88:429-431,1994
9)藤本恭平・稲本裕一・河原澄江・他:本院NICUにおける未熟児網膜症の現況.眼臨 85:104-108,1991
10)佐藤真由美・田中謙剛・野村代志子:熊本市民病院における超未熟児の未熟児網膜症発症状況について.眼紀 41:787-791,1990
11)朽久保哲男・細澤敬子・宇賀直樹・他:極小未熟児,特に超未熟児における未熟児網膜症について.日眼会誌 88:540-549,1984
12)齋藤伸行・前田朝子・矢野哲男・他:極小未熟児,特に超未熟児における未熟児網膜症について(続報).眼臨 82:96-103,1988
13)初川嘉一・小池 仁・藤村正哲・他:超未熟児の未熟児網膜症―10年間の発症数と治療成績.臨眼 46:243-246,1992
14)伊藤 彰・杉山正和:未熟児網膜症の発症・治療時期の体重増加率.臨眼 59:1581-1584,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?