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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻5号

2006年05月発行

文献概要

臨床報告

PETにて特徴的所見を呈した結膜悪性黒色腫の1例

著者: あべ松泰子1 木村勝哲1 あべ松徳子1 坂本泰二1

所属機関: 1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 先進治療科学専攻感覚器病学講座視覚疾患学研究分野

ページ範囲:P.849 - P.852

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77歳男性が右眼球結膜の黒色隆起性病変を主訴として受診した。病変は角膜耳側から球結膜にかけてあり,縦18mm,横10mmの大きさであった。腫瘤と健常結膜との境界は鮮明であったが,角膜への浸潤があった。陽電子放射断層撮影(positron emission tomography:PET)で腫瘤の部位に一致して異常集積があり,他に転移巣はなかった。以上の所見から悪性黒色腫を疑った。眼球を摘出し,病理組織学的に結節型悪性黒色腫の診断が確定した。PETが腫瘍の診断に有用であった1例である。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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