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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻6号

2006年06月発行

文献概要

特集 第59回日本臨床眼科学会講演集 (4)

外眼筋筋電図による読書時の眼球運動の分析

著者: 前田史篤1 木村久2 田淵昭雄1

所属機関: 1川崎医療福祉大学大学院医療技術学研究科感覚矯正学専攻 2木村眼科

ページ範囲:P.977 - P.981

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目的:読書時における外眼筋の電気生理学的検討。対象と方法:健常成人2名を対象とした。年齢は24歳と25歳,裸眼視力は1.5であった。横書きの文章を眼前40cmに保持して読ませ,その際の両眼の水平筋の筋電図と眼球電図とを記録した。結果:眼球電図はsaccadeと固視の繰り返しによる階段状波形を呈した。筋電図ではsaccadeの発現時に各眼の作動筋に高頻度バースト放電が生じ,固視時には定振幅で持続性の放電があった。結論:筋電図にはpulse-step dischargeを反映した電気的活動があり,読書時の眼位と眼球運動の基本的な出力パターンが記録できた。

参考文献

1)斎田真也:読みと眼球運動.苧阪良二・中溝幸夫・古賀一男(編):眼球運動の実験心理学.167-197,名古屋大学出版会,1993
2)Rayner K:Eye movements in reading and information processing:20 years of research. Psychol Bull124:372-422, 1998
3)前田史篤:視覚障害者における読書時の固視運動.眼紀 55:605-609,2004
4)田淵昭雄・河原正明・水川憲一・他:読書時の眼球運動.神眼 16:81-87,1999
5)加瀬 学:神経眼科と眼球運動.20世紀の眼球運動研究はどこまで発展したか.神眼 19:15-33,2002
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7)加瀬 学:上丘を中心としたサッケード系:その2.神眼 21:176-190,2004
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12)Kono R, Clark RA, Demer JL:Active pulleys:magnetic resonance imaging of rectus muscle paths in tertiary gazes. Invest Ophthalmol Vis Sci 43:2179-2188, 2002
13)木村 久・近江俊作・深井小久子・他:麻痺性斜視の発生機転に関する研究:拮抗筋 d縮と相反神経支配異常について.日眼会誌 90:308-312,1986
14)木村 久・近江俊作・深井小久子・他:外眼筋麻痺にともなう拮抗筋痙縮による斜視.神眼3:523-527,1986

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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