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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻6号

2006年06月発行

文献概要

特集 第59回日本臨床眼科学会講演集 (4)

無縫合白内障術後の鈍的外傷により虹彩が消失した1例

著者: 伊藤忠1 大黒浩1 大黒幾代1 石川太1 中澤満1 吉田恒一2

所属機関: 1弘前大学医学部眼科学教室 2吉田眼科

ページ範囲:P.1059 - P.1062

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目的:鈍性外傷で無虹彩症になった症例の報告。症例:56歳女性が無縫合白内障手術を受けた。その2か月後に右眼を殴打され,前房出血が生じた。1週間後に視力が1.0に回復したが,無虹彩であることが発見され,受傷から2か月後に当科を受診した。細隙灯顕微鏡検査で虹彩はなく,隅角検査で毛様体突起上に虹彩根部があるのみであった。超音波生体顕微鏡検査で,虹彩根部から索状物が白内障術創近くの角膜裏面に付着していた。結論:外傷で虹彩がその根部で離断し,白内障術創から眼外に脱出し,その後創口が自己閉鎖した可能性がある。

参考文献

1)稲富 誠:鈍的外傷(非穿孔性・穿孔性).眼科学.1352-1360,文光堂,東京,2002
2)矢部比呂夫:鈍的外傷.日本の眼科 68:1317-1320,1997
3)兼子博人・山之内守・高橋初恵:外傷性無虹彩症.日眼会誌 78:52-55,1974
4)浜田 潤・難波龍人・中島正之・他:外傷性無虹彩症.眼紀 34:632-634,1983
5)Romen M, Singer L:Traumatic aniridia. Br J Ophthalmol 57:613-614, 1973
6)藤澤直子・松場眞弓:自己閉鎖創白内障術後の外傷性無虹彩症の1例.眼臨 93:286-288,1999
7)李俊哉・永田征士・佐藤雪雄・他:鈍的外傷後に発生した無虹彩を合併した緑内障.臨眼 46:866-867,1992

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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