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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻7号

2006年07月発行

文献概要

臨床報告

角膜移植後に眼圧上昇をきたした先天緑内障および無水晶体眼に対し非穿孔性線維柱帯切除術を施行した1例

著者: 藤井誠一郎1 植木麻理1 光辻辰馬1 杉山哲也1 清水一弘1 池田恒彦1

所属機関: 1大阪医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1309 - P.1312

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要約 先天緑内障と人工的無水晶体がある35歳男性の右眼の眼圧が点眼でコントロールされていた。左眼は15年前に眼球癆になっている。右眼が2年前から水疱性角膜症になり,角膜全層移植を行った。術後眼圧が上昇し,視力低下と視野障害が生じたので,1か月後に非穿孔性線維柱帯切除術を行った。その16か月後の現在まで眼圧の経過は良好である。本症例が唯一眼,無水晶体眼,角膜移植直後であったことが,非穿孔性線維柱帯切除術を選択した理由である。この手術手技が角膜移植直後の無水晶体眼に奏効したことを示す1例である。

参考文献

1)杉岡孝二・福田昌彦・日比野剛・他:近畿大学眼科における全層角膜移植術後の続発緑内障.あたらしい眼科 18:948-951,2001
2)島崎 潤:緑内障合併例への対処.眼科診療プラクティス51(角膜移植とアイバンク):40-41,1999
3)松本行弘・筑田 眞:マイトマイシンCを併用した初回非穿孔性線維柱帯切除術の術後経過.眼科手術 14:83-88,2001
4)海谷忠良:非穿孔性トラベクレクトミー:non-penetraing lamellar trabeculectomy.眼科 41:993-1002,1999
5)溝口尚則:Advanced NPTテクニックと中期成績.眼科手術 14:305-309,2001
6)福地健郎・阿部春樹・須田生英子・他:非穿孔性線維柱帯切除術の成績と問題点.眼紀 51:852-856,2000
7)福地健郎・阿部春樹・須田生英子・他:原発開放隅角緑内障と正常眼圧緑内障に対する非穿孔性線維柱帯切除術と非穿孔性線維柱帯切除術の手術成績.眼紀 52:274-279,2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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