icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻8号

2006年08月発行

文献概要

特集 第59回日本臨床眼科学会講演集 (6)

網膜静脈分枝閉塞症の長期予後

著者: 門屋講司1 田中朗1 田中寧1 鈴木利根1 筑田眞1

所属機関: 1獨協医科大学越谷病院眼科

ページ範囲:P.1375 - P.1378

文献購入ページに移動
目的:網膜静脈分枝閉塞症の長期経過の検討。対象:網膜静脈分枝閉塞症の自験例97例107眼を対象とした。男性42例,女性55例で,年齢は41~75歳(平均59歳)であった。5~19年(平均9.5年)の経過を観察した。結果:12例(12%)で網膜静脈分枝閉塞症が両眼に発症した。片眼発症から他眼発症までの間隔は平均6.7年であった。硝子体出血は26眼(24%)に起こった。11眼は硝子体出血で受診し,15眼では光凝固後の経過観察中に硝子体出血が発症した。網膜静脈分枝閉塞症の発症から硝子体出血までの期間は平均5.9年であった。視力は43眼(40%)で改善し,50眼(47%)で不変,14眼(13%)で悪化した。最終視力は,63眼(59%)が1.0以上,22眼(21%)が0.5~0.9,12眼(11%)が0.2~0.4,10眼(9%)が0.1以下であった。結論:網膜静脈分枝閉塞症の発症から平均9.5年間の長期経過は比較的良好である。

参考文献

1)Branch Vein Occlusion Group:Argon laser scatter photocoagulation for prevention of neovascularization and vitreous haemorrhage in branch vein occlusion. A randomized clinical trial. Arch Ophthalmol 104:34-41, 1986
2)飯島裕幸:網膜静脈閉塞症の自然経過.眼科手術16:5-10,2003
3)Michels RG, Gass TDB:The natural course of retinal branch vein obstruction. Trans Am Acad Ophthalmol Otolaryngol 78:166-177, 1974
4)戸張幾生:網膜静脈分枝閉塞症に対するargon laser光凝固治療.臨眼 34:937-945,1980
5)呉 輔仁・土坂寿行:網膜静脈分枝閉塞症の視力予後.光凝固の有効性と視力予後に影響を及ぼす要因の検討.眼臨 81:346-350,1987

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?