icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻8号

2006年08月発行

文献概要

特集 第59回日本臨床眼科学会講演集 (6)

網膜動脈閉塞症に対しYAGレーザーによる塞栓破砕術を施行した3例

著者: 大中誠之1 福島伊知郎1 岡田守生1

所属機関: 1倉敷中央病院眼科

ページ範囲:P.1439 - P.1442

文献購入ページに移動
目的:網膜動脈閉塞症3例3眼に行ったYAGレーザーによる塞栓破砕術の報告。症例:網膜中心動脈閉塞症1眼と網膜動脈分枝閉塞症2眼が対象で,いずれも男性で,年齢は69,71,77歳であった。発症から治療までの期間は6時間~4日であり,初診時視力は0.02,0.09,0.1であった。方法:細隙灯顕微鏡と三面鏡を使用し,動脈の栓塞部にYAGレーザーを照射した。出力は1.3~2.2 mJで,3~24発を照射した。結果:全例で照射時に塞栓の移動はなく,少量の網膜出血が生じた。1眼では照射4日目に網膜下出血が生じ,続発した硝子体出血に対し硝子体手術を必要とした。視力は2眼で改善し,1眼では不変であった。結論:YAGレーザーによる塞栓破砕術は,網膜動脈閉塞症に対する治療の選択肢になりうる。

参考文献

1)Opremcak EM, Benner JD:Transluminal Nd:YAG laser embolysis for branch retinal artery occlusion. Retina 22:213-216, 2002
2)Brown GC, Magargal LE, Shields JA:Retinal arterial obstruction in children and young adults. Ophthalmology 88:18-25, 1981

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?