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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻8号

2006年08月発行

文献概要

臨床報告

脈絡膜腫瘍と鑑別を要した黄斑部脈絡膜分離の症例

著者: 西尾恵里1 福島伊知郎2 岡田守生3 内田璞3

所属機関: 1岸和田市民病院眼科 2福島眼科クリニック 3倉敷中央病院眼科

ページ範囲:P.1509 - P.1512

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目的:高度近視眼に生じた乳頭周囲脈絡膜分離症の報告。症例と所見:58歳女性が右眼視力低下で受診した。矯正視力は右0.4,左1.5で,右眼に約-5Dの近視があった。右眼の耳側コーヌスに接し,2.5乳頭径大の黄色の隆起があった。脈絡膜腫瘍が疑われたが,フルオレセイン蛍光眼底造影,インドシアニングリーン蛍光眼底造影,Bモード超音波検査,CT,磁気共鳴画像検査(MRI)などでこれは否定された。光干渉断層計(OCT)で脈絡膜分離が証明され,「病的近視での乳頭周囲【剥】離」と診断した。結論:乳頭周囲脈絡膜分離症は脈絡膜腫瘍に類似することがある。鑑別診断にはOCTが有用である。

参考文献

1)Freund KB, Ciardella AP, Yannuzzi LA et al:Peripapillary detachment in pathologic myopia. Arch Ophthalmol 121:197-204, 2003
2)舘野寛子・髙橋寛二・福地俊雄・他:近視眼の視神経乳頭周囲にみられる脈絡膜分離のOCT3所見.臨眼 59:327-331,2005
3)Grossniklaus HE, Green WR:Pathologic findings in pathologic myopia. Retina 12:127-133, 1992
4)島田典明・大野京子・小島有里子・他:強度近視眼にみられる乳頭周囲網膜色素上皮剥離(PDPM)の特徴.眼臨 98:1006-1007,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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