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文献概要
連載 日常みる角膜疾患42
鉗子分娩によるデスメ膜破裂
著者: 近間泰一郎1 西田輝夫1
所属機関: 1山口大学大学院医学系研究科情報解析医学系学域眼科学分野
ページ範囲:P.1566 - P.1568
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患者:41歳,女性
現病歴:出生時より左眼に角膜混濁があった。その後,視力は不良で,矯正0.01前後で弱視と診断された。今回,左眼の角膜混濁が以前より強くなったと自覚し近医を受診,精査および治療のため当院を紹介され2005年4月21日に受診した。
既往歴:鉗子分娩
家族歴:特記すべきものなし。
経過:初診時視力は右0.3(1.2),左0.02(矯正不能)であり,眼圧は右12mmHg,左15mmHgであった。細隙灯顕微鏡では,左眼角膜中央部を縦方向に三日月状にデスメ膜の破裂がみられ,その周囲に角膜実質浮腫がみられた(図1,2)。スペキュラマイクロスコープでは,左眼角膜内皮数は635/mm2と著明に減少していた。角膜トポグラフィでは,左眼に不正乱視がみられた(図3)。角膜の透明性回復には全層角膜移植しか方法はないが,弱視眼のため視力回復は困難であることから,特に加療せずに経過を観察することとなった。
患者:41歳,女性
現病歴:出生時より左眼に角膜混濁があった。その後,視力は不良で,矯正0.01前後で弱視と診断された。今回,左眼の角膜混濁が以前より強くなったと自覚し近医を受診,精査および治療のため当院を紹介され2005年4月21日に受診した。
既往歴:鉗子分娩
家族歴:特記すべきものなし。
経過:初診時視力は右0.3(1.2),左0.02(矯正不能)であり,眼圧は右12mmHg,左15mmHgであった。細隙灯顕微鏡では,左眼角膜中央部を縦方向に三日月状にデスメ膜の破裂がみられ,その周囲に角膜実質浮腫がみられた(図1,2)。スペキュラマイクロスコープでは,左眼角膜内皮数は635/mm2と著明に減少していた。角膜トポグラフィでは,左眼に不正乱視がみられた(図3)。角膜の透明性回復には全層角膜移植しか方法はないが,弱視眼のため視力回復は困難であることから,特に加療せずに経過を観察することとなった。
参考文献
1)Rezende RA, Cohen EJ, Uchoa UC et al:Congenital corneal opacities. In:Krachmer JH, Mannis MJ, Holland EJ(eds):Cornea. 2nd ed. Volume 1. 311-338, CV Mosby, St Louis, 2005
2)Spencer WH, Ferguson WJ Jr, Shaffer RN et al:Late degenerative changes in the cornea following breaks in Descemet's membrane. Trans Am Acad Ophthalmol Otolaryngol 70:973-983, 1966
3)Angell LK, Robb RM, Berson FG:Visual prognosis in patients with ruptures in Descemet's membrane due to forceps injuries. Arch Ophthalmol 99:2137-2139, 1981
4)Cotran PR, Bajart AM: Congenital corneal opacities. Int Ophthalmol Clin 32:93-105, 1992
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