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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻9号

2006年09月発行

文献概要

特集 第59回日本臨床眼科学会講演集 (7)

自己免疫性視神経炎の3例

著者: 今村ひろみ1 永田真裕子1 横山勝彦1 大木玲子1 木許賢一1 今泉雅資1 中塚和夫1

所属機関: 1大分大学医学部眼科

ページ範囲:P.1599 - P.1604

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要約 目的:自己免疫性疾患に併発した視神経炎3症例の報告。症例と経過:症例はいずれも女性で,年齢は18歳,50歳,50歳であった。1例は全身性エリテマトーデスの経過中に右視神経炎,6か月後に左視神経炎が発症し,ステロイドとシクロホスファミドのパルス療法で軽快した。他の2例は視神経炎を繰り返し,経過中に中枢神経症状を伴う原発性Sjögren症候群と診断された。ともにステロイドのパルス療法が奏効したが視野異常が残った。ステロイドの投与期間が短かったことが再発ないし視野異常が残った原因と推定された。結論:視神経炎では自己免疫性疾患が関与していることがある。ステロイドパルス療法が奏効することがあるが,減量に留意する必要がある。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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