icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻9号

2006年09月発行

文献概要

特集 第59回日本臨床眼科学会講演集 (7)

転移性結膜悪性リンパ腫を合併したvon Recklinghausen病の1例

著者: 濱田禎之1 佐藤俊介1 藤井澄2 山本敏広3

所属機関: 1国立病院機構岩国医療センター眼科 2岡山大学医学部眼科学教室 3やまもと眼科

ページ範囲:P.1609 - P.1611

文献購入ページに移動
要約 目的:喉頭と結膜に悪性リンパ腫が生じた神経線維腫症症例の報告。症例:53歳女性が両眼の異物感で受診した。10年前に神経線維腫症(レックリングハウゼン病),1年前に喉頭腫瘍を契機として悪性リンパ腫と診断された。両眼上方の球結膜下に腫瘤があり,病理学的に悪性リンパ腫と診断された。分子生物学的に結膜と喉頭のリンパ腫は同一であった。化学療法で喉頭の悪性リンパ腫は大幅に縮小し,切除した右眼結膜下腫瘍は消失し,左眼の腫瘍は縮小した。以後14か月後の現在まで悪化ないし再発はない。結論:神経線維腫症には悪性腫瘍が併発することがあり,本症例での喉頭と球結膜下の悪性リンパ腫もその例である。

参考文献

1)新村真人:厚生省特定皮膚疾患神経皮膚症候群調査研究業績集.13,1986
2)坂本泰二:眼科領域の悪性リンパ腫.あたらしい眼科 13:1494-1501,1996
3)Isaacson PG, Wright DH:Malignant lymphoma of mucosa-associated lymphoid tissue, a distinctive type of B-cell lymphoma. Cancer 52:1410-1416, 1983
4)三松美香・内尾英一・高野雅彦:眼球周囲MALTリンパ腫の4例.臨眼 53:911-914,1999
5)鈴木純一・佐藤昌明:粘膜免疫―粘膜のMALToma.臨眼 51(増刊):186-189,1997
6)梶浦裕子・井上正則:眼窩,眼瞼,球結膜の悪性リンパ腫の治療方針.臨眼 47:325-328,1993
7)土井俊彦・大津 敦:個々の悪性リンパ腫の診断と治療.MALTリンパ腫.血液・腫瘍科 49:550-557,2004
8)川本 潔・宮永嘉隆・鳥山聖子:両側性MALT型結膜悪性リンパ腫の一例.日眼会誌 100:246-252,1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?