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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻9号

2006年09月発行

文献概要

特集 第59回日本臨床眼科学会講演集 (7)

水晶体温存硝子体手術における術後水晶体調節力

著者: 西出忠之1 加藤陽子1 水木信久1

所属機関: 1横浜市立大学大学院医学研究科視覚器病態学

ページ範囲:P.1633 - P.1635

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要約 水晶体温存硝子体手術を10例10眼に行い,術後調節力を測定した。内訳は裂孔原性網膜剝離8眼と糖尿病網膜症2眼で,年齢は28~41歳(平均36歳),観察期間は平均7.1か月であった。術前の白内障の程度は,5例がG0,5例がG1であった。調節力測定にはアコモドポリレコーダを用い,年齢相当の平均調節力の値と僚眼の調節力を参考にして評価した。細隙灯顕微鏡で行った観察で,観察期間内の白内障の進行はなかった。術後の最終調節力の平均値は,手術眼では7.6±3.7D,僚眼では10.9±5.4Dであった。以上の結果は,今回の観察期間内では,硝子体手術後の調節力が温存されることを示している。

参考文献

1)山本綾子・小島ともゑ・和田博子・他:片眼IOL挿入眼における立体視機能の検討.IOL & RS14:285-288,2000
2)安藤文隆・広瀬浩士・新城ゆかり・他:50歳未満の増殖糖尿病網膜症に対する硝子体手術成績.眼紀 53:23-26,2002
3)所 敬:屈折異常とその矯正.175,金原出版,東京,1992
4)亀田知加子・筑田昌一・小森秀樹・他:前眼部画像解析装置による硝子体手術後の水晶体混濁度の評価.臨眼 52:825-828,1998
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7)桂 茂弘・佐々木一之・柴田崇志・他:硝子体術後眼に見られる水晶体変化の検討.日眼会誌96:664-669,1992

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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