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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻9号

2006年09月発行

文献概要

特集 第59回日本臨床眼科学会講演集 (7)

血管新生緑内障に対するマイトマイシンC併用線維柱帯切除術の長期手術成績

著者: 太田剛1 村山耕一郎1 島田佳明1 太田百合子1 米谷新1

所属機関: 1埼玉医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1637 - P.1641

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要約 目的:血管新生緑内障に対するマイトマイシンC(MMC)併用の線維柱帯切除術の長期成績の報告。対象と方法:MMC併用の線維柱帯切除術を受けた血管新生緑内障50眼と原発開放隅角緑内障37眼を対象とした。血管新生緑内障50眼中38眼が過去に硝子体手術を受け,無硝子体眼であった。術後成績の評価では,Kaplan-Meier生命表を用い,目標眼圧を20mmHgに設定した。結果:3年後の生存率は,点眼不使用例では血管新生緑内障32.3%,原発開放隅角緑内障51.3%であり,統計学上有意差はなかった。眼圧降下薬併用例では,それぞれ59.7%と77.7%であり,血管新生緑内障での生存率が有意に低かった。血管新生緑内障で有硝子体眼と無硝子体眼とで生存率に有意の差がなかった。結論:MMC併用の線維柱帯切除術を受けた血管新生緑内障では3年後に約60%の症例で眼圧コントロールが可能であったが,原発開放隅角緑内障に比べ,治療成績が低かった。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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