icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻9号

2006年09月発行

文献概要

特集 第59回日本臨床眼科学会講演集 (7)

先天性無眼球の2例

著者: 太田百合子1 田北博保1 大木隆太郎1 米谷新1 善利裕美2 宮路太2 奥起久子3

所属機関: 1埼玉医科大学眼科学教室 2埼玉医科大学小児科学教室 3川口市立医療センター小児科

ページ範囲:P.1643 - P.1647

文献購入ページに移動
要約 目的:両眼球完全欠損の2例の報告。症例:在胎38週で生まれた男児に小脳欠損,鎖肛,手指奇形,二分脊椎と両眼の無眼球症があり,磁気共鳴画像検査(MRI)で脳形成不全と水頭症が判明し,Dandy-Walker症候群と診断された。生後2週間で死亡した。他の1例は41週で出生した男児で,CTとMRIで両眼の無眼球症が確認された。他の全身合併症はなかった。2例とも正常染色体で,母親には格別な既往歴ないし薬歴はなかった。発生学的な病因として,第1例は神経管の前端に関与する広範な変化,第2例は第一次眼胞の発育不全が推定された。結論:無眼球症の診断と病因の判定には,MRIとCTによる画像診断が不可欠である。

参考文献

1)Creg SH, David T:Systematic Pediatric Ophthalmology and Strabismus. 192-201, Elsevier Saunders, Edinburgh, 2005
2)Duke-Elder S:System of Ophthalmology. volⅢ. 415-429. Henry Kimpton, London, 1964
3)山田文子・橋本禎子・八子恵子:臨床的無眼球の4例.眼臨 93:1713-1717,1999
4)秋山太一郎:萎縮した眼窩結膜囊を自動的に拡大する方法.形成外科 11:215-220,1968
5)酒井成美・黒木信雄・太根節直:高度な小眼球にシリコンゴム・インプラントを用い眼窩腔拡大を計った2症例.眼紀 34:792-797,1983
6)北川明彦・玉城宏一・安田尚美:高度な小眼球症に歯科用材料(仮封材)を用い眼窩腔拡大を行った4症例.眼臨 83:315-318,1989
7)新井 一:Dandy-Walker症候群.Nervous System in Children 29:1-7,2004
8)Gilbert-Barness E, Debich-Spicer D, Cohen MM Jr et al:Evidence for the“midline”hypothesis in associated defects of laterality formation and multiple midline anomalies. Am J Med Genet 101:382-387, 2001
9)Sevel D:Development of the connective tissue of the extraocular muscles and clinical significance. Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 226:246-251, 1988

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?