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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻9号

2006年09月発行

文献概要

特集 第59回日本臨床眼科学会講演集 (7)

上顎洞手術の局所麻酔によって眼球二重穿孔をきたした1例

著者: 本間知佳1 金田正博1

所属機関: 1東濃厚生病院眼科

ページ範囲:P.1665 - P.1668

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要約 目的:上顎洞炎の手術の際,麻酔用注射針で眼球の二重穿孔が生じた症例の報告。症例:36歳女性が右急性上顎洞炎に対し,上顎洞根治手術と歯根先端切除術を受けた。術中に上顎洞上部のとう痛があり,エピネフリン含有1%リドカインの局所浸潤麻酔を23Gカテラン針で上顎洞上壁粘膜下に追加投与し,その際に眼窩底を貫き,眼球の二重穿孔が生じた。5時間後の検査で右眼窩周囲の腫脹と散瞳があり,対光反射が消失し,視力は0.03であった。同日,穿孔部の眼底にレーザー光凝固を施行した。翌日には右眼の対光反射の遅延があったが,視力は1.2に回復し,以後順調な経過をとった。結論:副鼻腔の手術の際に眼窩内に注射針が穿孔する可能性がある。

参考文献

1)日下俊次:眼球穿孔.眼科診療プラクティス62(眼科手術と麻酔):62-65,2000
2)Castellarin A, Lipskey S, Sternberg P Jr:Iatrogenic open globe eye injury following sinus surgery. Am J Ophthalmol 137:175-176, 2004
3)Lincoff H, Zweifach P, Brodie S et al:Intraocular injection of lidocaine. Ophthalmology 92:1587-1591, 1985
4)Liang C, Peyman GA Sun G:Toxicity of intraocular lidocaine and bupivacaine. Am J Ophthalmol 125:191-196, 1998
5)西出忠之・門之園一明・伊藤典彦・他:リドカイン眼内投与の白色家兎眼に対する影響.日眼会誌 104:214-220,2000
6)廣兼知加・木村 亘・木村 徹・他:眼球周囲麻酔による眼球穿孔の1例.あたらしい眼科11:149-152,1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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