icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻1号

2007年01月発行

文献概要

連載 眼科図譜・347

流行性結膜炎の多発性結膜小出血点

著者: 青木功喜1

所属機関: 1札幌市

ページ範囲:P.14 - P.15

文献購入ページに移動
 流行性結膜炎の病因としてはヒトアデノウイルス(HAd3,8,19a,37)とエンテロウイルス(EV70,Coxakie virus A,24 variant)が代表的である1)。流行性を示す結膜炎では,流行を最小限にするためできるだけ早期に診断することが大切である2~4)

 エンテロウイルスによる急性出血性結膜炎(acute hemorrhagic conjunctivitis:以下,AHC)では24時間の潜伏期,球結膜小出血点,短い病期が,そしてヒトアデノウイルス(以下,HAd)による流行性角結膜炎(epidemic keratoconjunctivitis:以下,EKC)では急性結膜炎,耳前リンパ腺症,角膜上皮下点状混濁が臨床診断基準として取り上げられている。AHCではこの診断基準が早期診断の意味をもつが,HAdによるEKCの早期診断には,上記診断よりも両眼性,重症結膜炎,家族内感染などが実際的である。

参考文献

1)Aoki K, Tagawa Y:A twenty-one year surveillance of adenoviral conjunctivitis in Sapporo, Japan. Int Ophthalmol Clin 42:49-54, 2002
2)青木功喜:アデノウイルス結膜炎はなぜ流行するのか.臨眼 58:9-14,2004
3)大口剛司・青木功喜・有賀俊英・他:ウイルス結膜炎の大学病院院内感染のアンケート調査.日本の眼科 75:689-692,2004
4)Cheung D, Bremner J, Chan JT:Epidemic kerato-conjunctivitis;do outbreaks have to be epidemic? Eye 17:356-363, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?