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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻1号

2007年01月発行

文献概要

臨床報告

眼内レンズの一次挿入を行った穿孔性眼外傷の3例

著者: 小林百合1 西出忠之1 榮木尚子1 三浦光生1 水木信久1

所属機関: 1横浜市立大学医学部眼科学講座

ページ範囲:P.75 - P.79

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要約 目的:眼内レンズの一次挿入を行った穿孔性眼外傷3例3眼の報告。症例:症例はすべて男性で,年齢は24歳,29歳,55歳であった。受傷の原因は,釘2眼,針金1眼で,受傷の当日または翌日に受診した。全例に角膜穿孔があり,水晶体前囊が破損し,外傷性白内障があった。1例では前房が消失していた。超音波検査で眼内に異常所見はなかった。受傷眼の矯正視力は,それぞれ0.03,0.5,0.5であった。全例に角膜縫合の後,水晶体乳化吸引術と眼内レンズ挿入術を行った。眼内レンズの度数は,2眼では受傷眼,1眼では非受傷眼の眼軸長と角膜曲率半径から算出した。結果:全例に術後感染はなかった。角膜抜糸後の最終視力は,それぞれ0.15,0.5,1.2であった。目標屈折度との誤差は,それぞれ-0.35D,+0.2D,+0.1Dであった。結論:後囊が温存されている穿孔性角膜外傷と白内障には,眼内レンズの一次挿入が安全かつ有効である。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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