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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻1号

2007年01月発行

文献概要

臨床報告

超音波白内障手術研修の目標設定のための各手術操作時間の検討

著者: 原田大輔1 近本信彦1 西田輝夫1

所属機関: 1山口大学大学院医学系研究科情報解析医学系学域眼科学分野

ページ範囲:P.87 - P.90

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要約 目的:白内障手術の各段階での時間を測定し,研修医に対する手術の習熟目標を設定すること。対象と方法:過去2年間に合併症なしに白内障手術が行われた40眼を対象とした。20眼については7年の手術経験がある1名の標準術者,他の20眼については経験年数が1~2年の2名の研修中の術者により行われた。全手術を撮影記録し,白内障手術を9段階に区切り,その各段階に必要とした時間を測定した。結果:標準術者の全手術時間は16.3±2.3分であり,研修中の術者のそれは27.5±4.6分と有意に長かった(p<0.001)。標準術者は超音波乳化吸引で最も時間を要し,症例毎の時間変動が大きかった。研修中の術者は前囊切開と皮質吸引でも時間を要し,変動が大きかった。眼内レンズ挿入時間は両者間で同じであった。結論:白内障手術の各段階の時間とばらつきを計測することで,手術訓練の問題点を明確にし手術の質を向上できる。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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