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雑誌目次

雑誌文献

臨床眼科61巻10号

2007年10月発行

雑誌目次

特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(8) 原著

1歳以下の両眼先天白内障に眼内レンズを挿入した5例

著者: 名和良晃 ,   丸岡真治 ,   上田哲生 ,   小島正嗣 ,   原嘉昭

ページ範囲:P.1829 - P.1834

要約 目的:先天白内障に対し両眼に眼内レンズを挿入した0歳児5例の報告。症例:過去6年間に先天白内障に対して手術を行った乳児5例10眼を対象とした。手術時の月齢はそれぞれ7,9,12,13,16週であった。3mmの角膜創を12時に作製し,粘弾性物質を前房に注入し,前囊切開の後皮質を吸引し,+30Dのアクリル性眼内レンズを挿入した。全例に後囊と前部硝子体を切除した。術後6か月~4年(平均2.1年)の経過観察を行った。結果:最終観察時の屈折は-4D~+10Dの範囲にあり,その平均値は術後6か月で+3.27D,3年で-0.84Dであった。網膜剝離の発生はなく,2例2眼で瞳孔領にElschnig真珠の浸潤があり,硝子体手術を要した。結論:0歳児での先天白内障手術と眼内レンズ挿入術は,少なくとも術後6か月~4年の間は順調に経過した。術後の屈折値に個人差が大きいことが問題であり,合併症が生じる可能性に留意することが必要である。

加齢黄斑変性に対する光線力学療法の視力予後に関与する因子の検討

著者: 小澤摩記 ,   中馬智巳 ,   中馬秀樹 ,   直井信久

ページ範囲:P.1835 - P.1838

要約 目的:加齢黄斑変性(AMD)に対する光線力学療法(PDT)の治療成績に関与する因子の検討。対象と方法:AMDに対してPDTを行い,1年以上の経過を観察した76例84眼を対象とした。内訳は男性70眼,女性14眼であり,年齢は51~84歳(平均74歳)であった。内訳は狭義のAMD69眼と,ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)15眼である。結果:視力の転帰は,狭義のAMDよりもPCVのほうが良好であった(p<0.0005)。術後視力は,術前視力と,症状を自覚してから治療までの期間との間に有意な相関があった(各p<0.0001,p<0.05)。症状を自覚してから1年以内に治療した症例では術後視力が良好であった(p<0.0001)。結論:AMDに対するPDTでは,術前視力と術後視力との間に相関がある。発症から1年以内の症例では,術前視力にかかわらず良好な視力改善が得られる。

若年発症の水痘・帯状ヘルペスウイルスによる急性網膜壊死

著者: 翁長正樹 ,   東香里 ,   蓮見由紀子 ,   永野葵 ,   飯島康仁 ,   伊藤典彦 ,   水木信久

ページ範囲:P.1839 - P.1842

要約 目的:若年者に発症した水痘・帯状ヘルペスウイルスによる急性網膜壊死の報告。症例:15歳女性が4日前からの左眼の飛蚊症,霧視,眼痛で受診した。所見と経過:矯正視力は両眼とも1.2であり,左眼には豚脂様角膜後面沈着物を伴う強い虹彩毛様体炎があり,眼底には多数の黄白色顆粒状ないし地図状の滲出斑,網膜動静脈閉塞,乳頭の発赤・腫脹があった。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による前房水のウイルスDNAの検索で水痘・帯状ヘルペスウイルスが検出され,これによる急性網膜壊死と診断した。アシクロビルと副腎皮質ステロイドの全身投与などで眼内炎は4週後に消炎し,以後6か月間安定している。結論:水痘・帯状ヘルペスウイルスによる急性網膜壊死は高齢者に多く,概して予後不良とされる。15歳の若年者に発症した本例では,迅速な遺伝子診断と治療で早期に治癒した。

水晶体亜脱臼を合併した落屑緑内障に対する手術術式

著者: 石井美奈 ,   浦野哲 ,   鶴丸修士 ,   原善太郎 ,   手島靖夫 ,   山川良治

ページ範囲:P.1843 - P.1846

要約 目的:水晶体亜脱臼がある落屑緑内障4眼に対する手術成績の報告。症例と方法:過去1年間に落屑緑内障と診断し,経過中に水晶体亜脱臼が生じた4例4眼を対象とした。すべて男性で,年齢は67~90歳(平均82歳)であり,視力は0.05~0.4であった。薬物治療下の眼圧は13~28mmHg(平均21mmHg)であった。術式として自己閉鎖創による水晶体囊内摘出,前部硝子体切除,眼内レンズ挿入,同一創からの線維柱帯切開術を行った。術後3.5~8か月(平均6か月)の経過を観察した。結果:術後視力は0.3~1.2の範囲に改善し,眼圧は17mmHg以下に維持され,薬剤スコアは術前の1~4点が0~1点に改善した。視野の進行はなかった。合併症として一過性の硝子体出血が全例にあり,1眼に軽いデスメ膜剝離が生じ,角膜内皮細胞数が減少した。結論:水晶体亜脱臼がある落屑緑内障4眼に対し,本術式は有効であった。

ピット黄斑症候群の眼底自発蛍光所見

著者: 高田静 ,   河野剛也 ,   山本学 ,   矢寺めぐみ ,   安宅伸介 ,   白木邦彦

ページ範囲:P.1847 - P.1851

要約 目的:ピット黄斑症候群の1例で観察した眼底自発蛍光の報告。症例:33歳女性が左眼中心暗点を主訴として受診した。矯正視力は右1.5,左0.1であり,左眼視神経乳頭面の耳側寄りに小窩(ピット)があり,黄斑部にかけ漿液性網膜剝離があった。眼底自発蛍光は波長488nmの青色光で観察した。所見と経過:初診時の自発蛍光は,ピットと網膜剝離の部位で低蛍光を呈した。硝子体手術により網膜剝離が消退した時点では,黄斑周囲にびまん性の過蛍光が生じ,網膜剝離が再発したあとでは再び低蛍光になった。結論:眼底自発蛍光は網膜色素上皮の代謝機能と関連するとされている。ピット黄斑症候群ではこれが経過とともに過蛍光と低蛍光の間を変動し,本症の病態を反映すると解釈された。

早期治療による未熟児網膜症の治療成績

著者: 初川嘉一 ,   宋由伽 ,   梶田鉄平 ,   西野裕華

ページ範囲:P.1853 - P.1856

要約 目的:早期治療を行った未熟児網膜症の報告。対象と方法:過去5年間に当施設で治療を行った未熟児網膜症75例148眼を対象とした。男児24例,女児51例であり,出生体重は392~1,410g(平均750g),在胎期間は22~29週であった。初回治療は未熟児網膜症が国際分類のstage 3 moderateの範囲が30°に達した時点でレーザー光凝固または冷凍凝固で行った。結果:初回治療は修正在胎期間31~41週(平均36.6週)で行われ,このときの未熟児網膜症はstage 3 moderateが60°に及ぶ例が最多であった。最終的に後水晶体線維増殖が2例4眼(2.9%)に発症した。結果:未熟児網膜症に対する早期治療は有効であり,zone 1網膜症の治療成績の向上が望まれる。

睫毛内反症患者における眼合併症の検討

著者: 林しの ,   四宮加容 ,   岡本里江 ,   木虎亜希子 ,   山下力 ,   塩田洋

ページ範囲:P.1857 - P.1860

要約 目的:睫毛内反症患者での眼合併症の検索。対象:過去27か月間に睫毛内反症の手術を行った39例68眼を対象とし,診療録の記述に基づいて検索した。男児15例,女児24例,片眼10例,両眼29例であり,年齢は2~14歳(平均6.5歳)であった。結果:屈折異常弱視が19眼(28%)にあり,13例(33%)が視能訓練を必要とした。眼瞼下垂が6眼(9%)にあった。手術眼と非手術眼,片眼手術眼と両眼手術眼との間に,屈折に有意差はなかった。手術前と手術から6か月以上経過した時点とで屈折に差はなかった。結論:手術を必要とするような小児の睫毛内反症には,屈折異常弱視が合併しやすく,視力が不良な症例ではその可能性に注意する必要がある。

けいれん発作を伴う両眼同時視神経炎から多発性硬化症と確定診断できた小児の1例

著者: 一色佳彦 ,   木村徹 ,   木村亘 ,   横山光伸 ,   正化圭介 ,   内田宜子 ,   中山寛人 ,   川井元晴

ページ範囲:P.1861 - P.1866

要約 目的:けいれん発作を伴う両眼同時視神経炎で若年者に初発した多発性硬化症の報告。症例:15歳男児に2か月前からてんかん様のけいれんと意識消失発作が計7回あった。3日前からの両眼視力低下で受診した。所見と経過:矯正視力は左右とも0.04であり,視神経乳頭の発赤・腫脹が両眼にあった。両眼に中心暗点と半盲様の視野欠損があった。磁気共鳴画像検査(MRI)で大脳皮質と視神経に脱髄病巣があり,多発性硬化症と両眼視神経炎が疑われた。ステロイドパルス療法で視力と視野は軽快した。けいれん発作について神経内科で再精査し,多発性硬化症の診断が確定した。結論:若年者の多発性硬化症では,けいれん発作で初発し,経過中に両眼同時に視神経炎が発症することがある。

中心性漿液性脈絡網膜症を発症した高血圧網脈絡膜症の1例

著者: 山田英里 ,   山田晴彦 ,   山田日出美

ページ範囲:P.1867 - P.1872

要約 目的:高血圧網膜症に中心性漿液性網脈絡膜症が併発した症例の報告。症例:60歳女性が高血圧の精査を目的として内科から紹介され受診した。矯正視力は左右眼ともに1.0で,KWⅢの高血圧網膜症があった。血圧のコントロールで網膜症は軽減した。15か月後に再受診し,血圧は250/130mmHgであり,左眼矯正視力は0.15であった。両眼にKWⅢの高血圧網膜症があり,左眼に漿液性網膜剝離があった。蛍光眼底造影で点状の色素漏出があり,中心性漿液性網脈絡膜症と診断した。レーザー光凝固と血圧の治療を行い,視力と眼底所見は3か月後に回復した。結論:中心性漿液性網脈絡膜症が高血圧網膜症に併発した理由として,高血圧による脈絡膜の循環障害ないしは血液うっ滞による可能性がある。

白内障手術で高度の遠視化をきたしたフリーフラップ角膜屈折矯正手術後の1例

著者: 松永次郎 ,   宮井尊史 ,   子島良平 ,   大谷伸一郎 ,   本坊正人 ,   鮫島智一 ,   宮田和典

ページ範囲:P.1873 - P.1877

要約 目的:角膜屈折矯正手術の既往がある眼に白内障手術を行い,術後に高度の遠視が生じた症例の報告。症例:56歳女性が2年前からの視力低下で受診した。8年前にフリーフラップによると思われる屈折矯正手術を受けていた。矯正視力は右0.3,左0.3で,右眼には-3.0Dの近視があった。角膜形状解析で外下方に強く偏心した平坦部が両眼にあった。左眼に白内障手術を行った。ケラトメータでK値は測定不能であったので,ビデオケラトスコープの角膜中央から3mm以内のring 3~12の平均屈折力をK値とし,その値は36.09Dであった。眼軸長は32.12mmであった。SRKⅡ変法で計算した眼内レンズの予測屈折度数は-0.59Dであった。術後+10.0Dの遠視になったため,予測屈折度が-9.84Dの眼内レンズに交換した。結果,左眼視力は0.8×sph+1.0Dになった。結論:近視矯正手術で角膜の平坦部が偏心した眼では正確なK値の計算が難しく,眼内レンズの度数決定に注意が必要である。

早期診断・治療開始によって治癒したアカントアメーバ角膜炎の1例

著者: 高岡紀子 ,   廣渡崇郎 ,   太刀川貴子 ,   秋山健一 ,   松原正男

ページ範囲:P.1879 - P.1883

要約 目的:早期診断と治療で治癒したアカントアメーバ角膜炎の報告。症例:35歳女性が10日前からの左眼異物感で受診した。ソフトコンタクトレンズを3年前から週に1回装用していた。矯正視力は右1.2,左1.0で,左眼角膜に輪部から中央に向かう線状の混濁と細胞浸潤があった。上皮欠損はなかった。コンタクトレンズケース内部に水垢が付着していた。角膜擦過物とコンタクトレンズからアカントアメーバの栄養体が培養された。治療として頻回の角膜搔爬,イトラコナゾールの内服,ガチフロキサシン点眼などを行った。擦過物の培養は,治療開始から11日後に陰性化した。結論:アカントアメーバ角膜炎では早期治療が望ましく,このために角膜擦過物の培養など,早期に診断するための努力が必要である。

類楕円形の角膜移植片による角膜真菌病巣除去を試みた1例

著者: 竹内侯雄 ,   鈴木幸彦 ,   下山智美 ,   鈴木香 ,   間宮和久 ,   中澤満

ページ範囲:P.1885 - P.1889

要約 目的:角膜真菌症の病巣を除去するために類楕円形の移植片で全層角膜移植(PKP)を行った症例の報告。症例:74歳男性の左眼に白内障手術と眼内レンズ挿入術が行われた。水疱性角膜症が生じ,8か月後にPKPが行われた。その40か月後の角膜移植片の再縫合後に前房蓄膿が起こり,2か月後に2回目のPKPが行われた。9か月後に角膜混濁が生じ,病巣からCandida albicansが検出された。薬物治療と3回目のPKPが奏効せず,5か月後に4回目のPKPが施行された。病巣が大きいために移植片を11mm×8.5mmの類楕円形にした。これにより感染病巣はすべて除去され,9か月後の現在まで経過は良好である。結論:過去に複数回のPKPを受けた角膜真菌症では,病巣をすべて除去するために類楕円形の移植片による角膜移植が奏効することがある。

北里大式眼優位性定量チャートの白内障眼への応用

著者: 伊藤美沙絵 ,   清水公也 ,   半田知也 ,   戸塚悟 ,   飯田嘉彦 ,   疋田朋子 ,   天野理恵

ページ範囲:P.1891 - P.1894

要約 目的:眼優位性定量チャートによる検査に白内障が及ぼす影響を報告する。対象と方法:白内障患者56例を対象とし,1眼の矯正視力が1.0以上あるものとした。両眼に白内障手術を行い,術前後に北里大学式眼優位性定量チャートで眼優位性を10段階に評価した。他眼の矯正視力は,A群15例では0.7以上,B群14例では0.5~0.7,C群16眼では0.3~0.5,D群11眼では0.3未満であった。結果:白内障術前後での眼優位性の再現性は,A群100%,B群71%,C群25%,D群0%であった。結論:眼優位性定量チャートによる眼優位性の判定は,1眼の矯正視力が1.0以上のとき,他眼の矯正視力が0.5以上であれば,術前と術後の結果に70%以上の再現性がある。

先天白内障に対する眼内レンズ挿入の成績

著者: 岩田健作 ,   中村宗平 ,   浦野哲 ,   山川良治 ,   渡辺志穂 ,   大塚慎一

ページ範囲:P.1895 - P.1899

要約 目的:先天白内障に対する眼内レンズ(IOL)を用いた手術成績の報告。症例と方法:過去80か月間に手術を行った11例17眼を対象とした。男児7例11眼,女児4例6眼で,6例が両眼性,5例が片眼性であった。年齢は5か月~12歳(平均4.3歳)であり,全例に水晶体吸引とIOLの囊内固定を行った。16眼には後囊切開と前部硝子体切除を併用した。IOLの度数計算にはSRK-T式を使用し,2歳未満には+2D以上の遠視,6歳以上には正視を目標とした。結果:6か月以上,平均2年の経過観察でIOLの固定は全例で良好であった。術後1か月での屈折は,17眼中13眼(76%)が予想屈折の±1D以内の範囲にあった。最終屈折は,10眼(59%)が正視±1D以内の範囲にあった。合併症として後囊混濁が3眼,虹彩後癒着と前囊収縮が1眼に生じた。結論:先天白内障に対するIOL挿入の結果は良好であり,IOLの度数計算法もほぼ妥当であった。

不明熱を伴った眼トキソカラ症の1例

著者: 永田真裕子 ,   池脇淳子 ,   木許賢一 ,   山田喜三郎 ,   中塚和夫

ページ範囲:P.1901 - P.1904

要約 目的:原因不明の発熱を繰り返し,両眼のトキソカラ症が同時に生じた症例の報告。症例と所見:29歳男性が4週間前から原因不明の発熱,関節痛,全身倦怠感を3回繰り返し,左眼視力が0.1に低下した。眼底には孤立性の白斑が右眼,白色の隆起性病変が左眼黄斑部にあった。血清のToxocara CHEKとELISAが陽性で,眼トキソカラ症と診断した。左眼にトリアムシノロンのテノン囊下注射を行い,黄斑部の病変は縮小し視力は1.2に改善した。結論:眼トキソカラ症では発熱などの全身症状を伴うことがある。

転移性眼内炎に対する硝子体手術後に交感性眼炎を発症した1例

著者: 豊島馨 ,   岩田英嗣 ,   中村誠

ページ範囲:P.1905 - P.1907

要約 目的:転移性眼内炎に対して硝子体手術を行ったのちに,他眼に交感性眼炎が発症した症例の報告。症例と所見:59歳女性が右眼の視力低下と眼痛で受診した。3日前から発熱および右足背の腫脹と疼痛があり,放置していた。矯正視力は右手動弁,左1.0であり,右眼には前房蓄膿と硝子体混濁があった。下肢の蜂窩織炎からの転移性眼炎と診断し,直ちに毛様体扁平部経由で水晶体と硝子体切除を行った。術中に得られた硝子体から肺炎球菌が培養された。眼内炎が鎮静せず,8日後に再度の硝子体切除を行ったが,発症から2週後に光覚が消失し眼球癆になった。3か月後に左眼の霧視と充血が生じた。視力は0.2であり,眼底には漿液性剝離があったが網膜血管からの色素漏出はなかった。髄液に細胞数増加があり,HLAのDR4が陽性であった。これらから交感性眼炎と診断して副腎皮質ステロイドのパルス療法などを行い,6週後に網膜剝離は消失し,18週後に視力は1.0に回復した。結論:右眼の転移性眼内炎に対して硝子体手術を行ったことが左眼に交感性眼炎を誘発した可能性がある。

原田病のステロイド大量療法漸減中に発症した中心性漿液性網脈絡膜症の1例

著者: 山内尚子 ,   末野利治 ,   岩崎紳一郎 ,   森田大 ,   高橋嘉晴 ,   河合憲司

ページ範囲:P.1909 - P.1912

要約 目的:原田病に対し副腎皮質ステロイドを大量投与し,その漸減中に中心性漿液性網脈絡膜症が発症した症例の報告。症例と所見:37歳男性が数日前からの両眼の眼痛,視力低下,耳鳴で受診した。矯正視力は右0.15,左0.6であり,両眼に漿液性網膜剝離があった。髄液に細胞数増加があり原田病の不全型と診断した。副腎皮質ステロイドの大量投与で網膜剝離は軽快し,12日後に左右とも1.2の視力に回復した。以後プレドニゾロンを少量投与していたが,発症から6か月後に右眼黄斑部に漿液性網膜剝離が生じ,蛍光眼底造影で中心性漿液性網脈絡膜症と診断した。プレドニゾロンの中止後4週間で網膜剝離は消失した。結論:原田病では副腎皮質ステロイドによる加療中に,中心性漿液性網脈絡膜症が発症することがある。

内眼炎を合併した眼窩炎性偽腫瘍の1例

著者: 二村裕紀子 ,   早川賢治 ,   小林綾子 ,   斉藤信夫 ,   松倉修司 ,   末野利治 ,   河合憲司

ページ範囲:P.1913 - P.1917

要約 目的:両眼に内眼炎があり,眼窩炎性偽腫瘍として治療した症例の報告。症例と所見:54歳女性が3か月前からの両眼の虹彩炎で受診した。1か月後に炎症が悪化した。シンチグラフィでガリウムが集積する腫瘤が両側の眼窩内にあった。悪性リンパ腫が疑われたが,眼窩と硝子体の生検では確認できず,眼窩炎性偽腫瘍による内眼炎が疑われた。副腎皮質ステロイドの点眼と全身投与ならびに硝子体手術で2か月後に内眼炎は鎮静化した。結論:臨床像は典型的な悪性リンパ腫でありながら確定診断に至らず,内眼炎を伴う眼窩炎性偽腫瘍とみなすべき症例がある。

黄斑部出血をきたした脈絡膜骨腫の2例

著者: 堂庭加奈子 ,   高村佳弘 ,   宮澤朋恵 ,   杉本陽子 ,   久保江理 ,   都筑昌哉 ,   赤木好男

ページ範囲:P.1919 - P.1922

要約 目的:黄斑出血が生じた脈絡膜骨腫2例の報告。症例と所見:第1例は38歳女性,第2例は35歳男性である。脈絡膜骨腫は片眼のみにあり,大きさはそれぞれ4×7乳頭径と3×3乳頭径であった。経過中に黄斑出血が生じ,矯正視力はそれぞれ1.0から0.3,1.2から0.5に低下した。黄斑出血が脈絡膜新生血管から生じた第1例では,新生血管が中心窩外にあったため,色素レーザーによる光凝固を行い,視力は0.7に向上した。結論:脈絡膜骨腫では黄斑出血が併発して視力低下が生じることがあり,注意が必要である。

メルファランの選択的眼動脈注入による網膜芽細胞腫の眼球保存療法

著者: 高木誠二 ,   金子明博 ,   金子卓 ,   竹内忍 ,   高橋啓 ,   大原関利章 ,   毛利誠

ページ範囲:P.1923 - P.1930

要約 目的:メルファランの眼動脈注入による網膜芽細胞腫の治療報告。対象:過去18か月間に網膜芽細胞腫で眼球保存療法の適応があると判断した7例10眼を対象とした。男児2例,女児5例であり,4例が片眼性,3例が両眼性であった。年齢は1か月~1年8か月(中央値1年4か月)であった。Reese-Ellsworth分類による病期は,Ⅰbが3眼,Ⅱaが4眼,Ⅲbが1眼,Ⅴbが2眼であった。方法:初回治療としてVECによる全身化学療法を2コース行い,以後は眼底所見に応じて,メルファランの眼動脈と硝子体注入,経瞳孔的温熱療法,ルテニウムの強膜縫着,眼球摘出を行った。結果:10か月間に31回の選択的眼動脈注入を10眼すべてに行った。転帰は治癒5眼,治癒見込1眼,治療中2眼,眼球摘出2眼であり,合併症はなかった。結論:メルファランの眼動脈注入による網膜芽細胞腫の治療は,全身への影響が少なく,入院期間が短縮され,安全で有効な眼球保存療法である。

非ステロイド性抗炎症薬内服中の結合組織病患者2例に発生した角膜融解穿孔

著者: 増田郁也 ,   松尾俊彦 ,   松下恭子 ,   岡本和夫 ,   大月洋

ページ範囲:P.1931 - P.1934

要約 目的:非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)による加療中に角膜融解と穿孔を起こした結合組織病患者2例の報告。症例:2例とも女性で,年齢はそれぞれ62歳と79歳である。1例には全身性エリテマトーデス,強皮症,多発性筋炎,Sjögren症候群を内容とする混合性結合組織病が30年前からあり,20年間プレドニゾロンを内服していた。4年前に白内障手術を両眼に受けた。2週前に帯状疱疹ならびにヘルペス性角膜虹彩炎と診断され,NSAIDであるチアプロフェン酸の内服を開始した。他の1例は関節リウマチが40年前からあり,5か月前からアセチルサリチル酸を内服していた。所見と経過:2症例とも片眼性の角膜穿孔が起こった。NSAIDの内服を中止し,1例では14日後,他の1例では10日後に角膜穿孔は上皮化し,前房が形成された。結論:NSAIDの内服により角膜融解と穿孔が起こる可能性がある。

白内障術後に悪化をみた加齢黄斑変性に対する光線力学療法

著者: 中馬智巳 ,   中馬秀樹 ,   直井信久

ページ範囲:P.1935 - P.1940

要約 目的:白内障手術後に悪化した加齢黄斑変性に対して行った光線力学療法の報告。症例:白内障手術から6か月以内に発症した滲出型加齢黄斑変性に対して光線力学療法を行い,1年以上の経過を観察した5例5眼を対象とした。男性4例,女性1例で,年齢は74~82歳(平均78歳)であった。発症から光線力学療法までの期間は,4例では4か月以内,1例では83か月後であり,術前視力は0.1~0.3であった。結果:視力は4例で改善し,1例で不変であった。光干渉断層計(OCT)で検索した4眼中3眼に不完全な後部硝子体剝離があった。結論:白内障手術後に発症した加齢黄斑変性に対し,光線力学療法は有効である。白内障手術による炎症と後部硝子体剝離が加齢黄斑変性を誘発した可能性がある。

連載 今月の話題

光干渉断層計の進化がもたらす最近の眼底画像解析の進歩

著者: 板谷正紀

ページ範囲:P.1789 - P.1798

 昨年度のAmerican Academy of Ophthalmology(AAO)のAnnual Meeting(ラスベガス)では,7社からスペクトラル光干渉断層計(SD-OCT)の製品群が展示され,時代はSD-OCTによる3次元OCT(3D-OCT)診断へと歩を進めた観があった。OCTの3Dへの進化は,他の検査技術との融合を促進し,眼底および視神経乳頭の3次元画像解析が成熟へと向かう。OCTを核に今後可能になる眼底画像解析を概説する。

日常みる角膜疾患・55

実質型角膜ジストロフィ

著者: 山田直之 ,   近間泰一郎 ,   西田輝夫

ページ範囲:P.1800 - P.1805

症例

 31歳,男性。2005年6月,近医から両眼の角膜混濁の精査目的で当科を紹介され受診した。主訴は両眼の視力低下であった。初診時視力は右0.1(0.3),左0.08(0.4),両眼角膜実質中層から深層にかけて混濁を,また輪部に脂肪沈着様の変化を認めた(図1)。両眼性で,明らかな炎症所見もないことから,何らかの角膜ジストロフィを疑いTGFBI遺伝子について遺伝学的検討を行ったが,遺伝子変異を認めず確定診断に至らなかった。

 この症例は改めて後に,M1S1遺伝子について遺伝学的検討を行いQ118X(ホモ接合体)を認めた。細隙灯顕微鏡所見のみでは確定診断が困難であったが,遺伝子検査により膠様滴状角膜ジストロフィと確定診断した。

公開講座・炎症性眼疾患の診療・7

予防接種後角結膜炎

著者: 有賀俊英 ,   北市伸義 ,   大野重昭

ページ範囲:P.1806 - P.1808

はじめに

 現在わが国で施行されている予防接種は10数種類ある。予防接種法に定められているものとしてはBCG,ポリオ,麻疹,風疹,ジフテリア,百日咳,破傷風,日本脳炎,高齢者に対するインフルエンザがあり,その他任意接種として水痘,流行性耳下腺炎やA,B型肝炎などがある(表1)。

 各種ワクチンの添付文書に角結膜炎が副症状として記載されているものはないが,文献的には予防接種後に結膜炎や角膜炎,ぶどう膜炎といった眼炎症性疾患をきたした症例報告がある。実際,例えば麻疹や風疹,流行性耳下腺炎などは疾患自体で結膜炎や角膜炎,角膜内皮炎などを生じることが知られており,生ワクチンでこれらの眼症状が生じても不思議ではない。本稿ではこれまでに報告されている各種予防接種後の眼炎症についてまとめてみたい。

網膜硝子体手術手技・10

増殖糖尿病網膜症(1)

著者: 浅見哲 ,   寺崎浩子

ページ範囲:P.1810 - P.1816

はじめに

 増殖糖尿病網膜症の基本は何といっても増殖膜の処理である。増殖膜の処理は高度なテクニックを要し,硝子体手術手技習得の最終目標である。また,処理の際に網膜裂孔,出血などの合併症を起こす頻度が高く,処理の基本をしっかり理解しなければならない。網膜症の状態や手技的な難易度も症例によりさまざまであり,病態を的確に把握することは重要である。

 本稿では,基本的な手術手技について詳述し,次号で増殖膜処理法について述べることとする。

眼科医のための遺伝カウンセリング技術・12

遺伝カウンセリングの記録方法

著者: 千代豪昭

ページ範囲:P.1817 - P.1828

遺伝カウンセリングの記録に求められる要件

 連載もいよいよ最終回になった。改めて強調する必要はないと思うが,筆者の遺伝カウンセリングの理論と技法はロジャースのカウンセリング理論から多くのものを引用している。ロジャースの理論はクライエントの人格と意思決定の力を信頼して展開されるため,「クライエント中心療法」と呼ばれている。現代医学の特徴の1つも患者中心医療である。患者中心医療に適した医療記録としてはPOS(problem-oriented system,問題解決型医療記録)が代表で,世界中で利用されている。現代遺伝カウンセリングの記録方式にもPOS方式が最も適しているとの考えから,筆者は過去30年にわたってカウンセリング記録をPOS方式で記載してきた。今回はPOS方式による遺伝カウンセリング記録を紹介したい。

臨床報告

水晶体囊下硝子様変性の1例

著者: 小西隆裕 ,   恩田健 ,   黒木礼子 ,   堀内二彦

ページ範囲:P.1949 - P.1953

要約 目的:水晶体前囊下に前囊と癒着する増殖組織があり,前囊下硝子様変性と解釈できる症例の報告。症例:20歳男性が2年前からの左眼視力障害で受診した。小児期から気管支喘息とアトピー性皮膚炎で加療中であった。所見:矯正視力は右1.0,左0.04であり,左眼のみに白色顆粒状の前囊下混濁を伴う過熟白内障があった。超音波乳化吸引術の際,水晶体前囊が硬い前囊下組織と癒着し,連続円形切囊と前囊下組織の除去が困難であった。除去した水晶体は以下の組織学的特徴を示した。前囊の厚さは5.2μmと薄く,前囊上皮細胞はほとんどなかった。厚さ79μmの前囊下組織は前囊と密着し硝子様変性をしていた。前囊下組織と同様な病的組織が後囊下にもあった。前後囊下の硝子様変性に囲まれた水晶体中央部には核がなく,皮質のみがあった。結論:水晶体囊下の硝子様変性が過熟白内障に併発することがある。

眼球摘出に至った中型の脈絡膜悪性黒色腫の1例

著者: 平野隆雄 ,   千葉大 ,   太田浩一 ,   村田敏規 ,   中村公俊 ,   上原剛 ,   鈴木茂伸

ページ範囲:P.1955 - P.1960

要約 目的:眼球摘出に至った脈絡膜悪性黒色腫の症例の報告。症例と経過:59歳女性が2か月前からの左眼視力低下で受診した。矯正視力は右1.2,左指数弁であった。左眼の乳頭上方から耳側に灰白色で一部が黒色の隆起性病変があり,黄斑部には薄い網膜剝離があった。磁気共鳴画像検査(MRI)ではT1強調画像で高信号,T2で低信号の長径10mm,高さ6mmの腫瘤があった。超音波検査と蛍光眼底造影所見からも中型の悪性黒色腫が疑われた。腫瘍マーカーを含む全身検査では他臓器からの転移性腫瘍,または脈絡膜黒色腫から他臓器への遠隔転移を示す所見はなかった。小線源療法を検討したが,腫瘍が乳頭に近接しているので放射線視神経症の可能性があり,眼球摘出を行った。組織学的にmixed cell typeの悪性黒色腫と診断され,腫瘍細胞の周囲組織への浸潤はなかった。結論:中型の脈絡膜黒色腫は治療法の選択が困難であるが,本症例では上記の理由から眼球摘出を選んだ。

一過性光視症の主訴により発見された内頸動脈狭窄を伴う小脳橋角部腫瘍

著者: 木村友剛 ,   柏井聡

ページ範囲:P.1961 - P.1963

要約 目的:一過性黒内障を契機として小脳橋角部腫瘍とこれによる内頸動脈圧迫が発見された症例の報告。症例:56歳女性が1週間前にあった左眼の光視症で受診した。7年前に左側の突発性難聴があり加療中である。矯正視力は右0.9,左1.0であり,眼科的に格別の異常はなかった。磁気共鳴画像検査(MRI)などで左内頸動脈の錐体部に強い狭窄があり,ガドリニウム造影で左小脳橋角部に腫瘍が発見された。摘出手術の結果,聴神経鞘腫であった。結論:腫瘍による内頸動脈圧迫で光視症が起こることがあり注意が望まれる。

今月の表紙

卵黄状黄斑ジストロフィ(偽前房蓄膿期)

著者: 福井勝彦 ,   寺崎浩子

ページ範囲:P.1799 - P.1799

 初診時7歳の女児。学校検診で視力低下を指摘され近医を受診,両眼黄斑部の変性を認め,精査のため当科を紹介された。視力は右0.5(1.2×+0.25D),左1.2(1.5×-0.25D)であった。両眼の黄斑部に2乳頭径の境界鮮明な円形病巣がみられ,網膜色素上皮内のリポフスチン顆粒が網膜下腔に流出して貯留していた。網膜電図では左眼にa波の減弱を認めたが,b波,律動様小波は両眼とも異常を認めなかった。眼球電図ではL/D比は正常であった。両親および兄弟2人の眼底に異常はみられなかった。

 写真は初診時から4年経過した11歳時のものである。フルオレセイン蛍光眼底造影では,両眼の円形病巣内の辺縁に早期から淡い過蛍光,中央の貯留部では強い過蛍光がみられたものの蛍光漏出はなかった。インドシアニングリーン蛍光眼底造影では,円形病巣に一致して境界不鮮明な蛍光遮断による淡い低蛍光,中央の貯留部では強い蛍光遮断が観察された。

べらどんな

高安病のこと

著者:

ページ範囲:P.1805 - P.1805

 第12回日本眼科学会総会が明治41年(1908)に福岡で開催され,金沢医専の高安右人教授が,「奇異ナル網膜中心血管ノ変化ノ一例」について口演した。

 総会長は大西克知で,のちに九州大学になる福岡医専の教授であった。大西はこの発表を聞き,「私も同じような症例をみた。その例には脈がなかった」と追加した。これがきっかけで,本病が高安・大西病とも呼ばれるようになった。

やさしい目で きびしい目で・94

ひと言(1)

著者: 祐森弘子

ページ範囲:P.1941 - P.1941

 私たちは,日常,患者さんからさまざまなことを教えていただいている。「これは,もらった!」と気づくか気づかないか,受け取る側の個人差はあるかもしれないが,言葉もその1つだと実感している。

 眼科の場合,視力が特に重要なのは,自動車運転免許の更新のときである。診療中に「車の免許の更新はいつですか」との私の質問に「今年です」と患者さんが答えられるので,“いまは免許の更新の話をしているのだなぁ”とお互いわかっているつもりであった。しかし,その次に「おお(大)型ですか」と聞くとなぜか「いいえ,私は,えい(A)型ですわ」との答えが返ってきてしまった。話の流れが,わかっているのは私だけだったのだ。私は,“違う,違う。いまは車の話ですよ。”でも,なるほど,こういう捉え方もあったのかと,「おお」という言葉について一人納得しつつも,笑うのを相当我慢して「普通免許ですね」と問い直した。「そう,普通免許です」と,やっと予想どおりのごく普通の答えが返ってきた。当の本人は,この面白さに気づいていない様子であったが,もし私が,「免許は大型ですか」と主語をしっかり言えば,こういう展開になっていなかっただろう。

ことば・ことば・ことば

出版社の名前

ページ範囲:P.1945 - P.1945

 「東京」が「東の都」を意味していることは,日本人ならだれでも知っています。しかし,欧米人は,TokyoとKyotoは,ただ音が違うだけとしか思わないはずです。

 その一方,中国の人々は,「東京」を別の意味で理解しているのではと気になります。あちらには北京と南京があるので,「東京は中国の一部」と解釈される可能性があるからです。どうも明治維新のとき,「江戸」を「東京」と改名したのは失敗だったと思うのです。

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あとがき

著者: 寺崎浩子

ページ範囲:P.1976 - P.1976

 秋たけなわとなりました。本号が先生方のお手もとに届くころ,ちょうど第61回日本臨床眼科学会が開催されて,勉強意欲に駆られつつ,京都の秋を楽しまれたことと思います。本号は,昨年の第60回日本臨床眼科学会講演集の最終回です。日常臨床でそれぞれの先生が経験された貴重な報告が論文として掲載されています。そのなかで,未熟児網膜症の治療時期に関する論文が目にとまります。出生体重1,000g以下の未熟児は人工授精などによる多胎の増加で増えており,今後ますます重症未熟児網膜症が発生する頻度は増えていくものと思われます。いろいろ新しいことを取り入れたり,治療時期を考慮することにより失明の予防に努めたいと思います。

 学会原著を書かれた先生は,抄録を送って学会で発表し,それを論文に書いて残していく一連のプロセスが終了してほっとされていることと思います。掲載論文は専門医試験を受ける資格として使われる先生も多く,掲載を急がれる場合もしばしばありますが,論文審査から雑誌掲載まではそれなりの時間を要しますので,学会終了後できるだけ早く投稿されることをお勧めいたします。

基本情報

臨床眼科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1308

印刷版ISSN 0370-5579

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