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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻10号

2007年10月発行

文献概要

特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(8) 原著

中心性漿液性脈絡網膜症を発症した高血圧網脈絡膜症の1例

著者: 山田英里1 山田晴彦12 山田日出美1

所属機関: 1山田眼科医院 2関西医科大学枚方病院眼科

ページ範囲:P.1867 - P.1872

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要約 目的:高血圧網膜症に中心性漿液性網脈絡膜症が併発した症例の報告。症例:60歳女性が高血圧の精査を目的として内科から紹介され受診した。矯正視力は左右眼ともに1.0で,KWⅢの高血圧網膜症があった。血圧のコントロールで網膜症は軽減した。15か月後に再受診し,血圧は250/130mmHgであり,左眼矯正視力は0.15であった。両眼にKWⅢの高血圧網膜症があり,左眼に漿液性網膜剝離があった。蛍光眼底造影で点状の色素漏出があり,中心性漿液性網脈絡膜症と診断した。レーザー光凝固と血圧の治療を行い,視力と眼底所見は3か月後に回復した。結論:中心性漿液性網脈絡膜症が高血圧網膜症に併発した理由として,高血圧による脈絡膜の循環障害ないしは血液うっ滞による可能性がある。

参考文献

1)吉岡久春:高血圧性網膜症に見られた続発性中心性漿液性網膜剝離.眼紀 33:2150-2155,1982
2)吉本弘志:高血圧網膜症.眼科 46:1489-1498,2004
3)Wong TY, Mitchell P:Hypertensive retinopathy. New Engl J Med 351:2310-2317, 2004
4)木村早百合・竹田宗泰:悪性高血圧にみられた脈絡膜血行遅延と漿液性網膜神経上皮剝離.臨眼 37:861-867,1983
5)岩崎琢也・後藤 浩・川原純一:眼内レンズ移植術後に漿液性網膜剝離が発症した高血圧性脈絡網膜症の1例.眼臨 86:2486-2491,1992
6)中町容子:胞状網膜剝離を呈した高血圧性網脈絡膜症の1例.眼臨 93:333-337,1999
7)松永裕史:中心性漿液性脈絡網膜症.宇山昌延・西村哲哉・高橋寛二(編):黄斑疾患テキスト&アトラス.36-42,医学書院,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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