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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻10号

2007年10月発行

特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(8)

原著

不明熱を伴った眼トキソカラ症の1例

著者: 永田真裕子1 池脇淳子1 木許賢一1 山田喜三郎1 中塚和夫1

所属機関: 1大分大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1901 - P.1904

文献概要

要約 目的:原因不明の発熱を繰り返し,両眼のトキソカラ症が同時に生じた症例の報告。症例と所見:29歳男性が4週間前から原因不明の発熱,関節痛,全身倦怠感を3回繰り返し,左眼視力が0.1に低下した。眼底には孤立性の白斑が右眼,白色の隆起性病変が左眼黄斑部にあった。血清のToxocara CHEKとELISAが陽性で,眼トキソカラ症と診断した。左眼にトリアムシノロンのテノン囊下注射を行い,黄斑部の病変は縮小し視力は1.2に改善した。結論:眼トキソカラ症では発熱などの全身症状を伴うことがある。

参考文献

1)横井克俊:眼トキソカラ症.眼科 46:1537-1540,2004
2)横井克俊・坂井潤一:眼トキソカラ症.眼科診療プラクティス47(感染性ぶどう膜炎の病因診断と治療):46-49,1999
3)坂井潤一:イヌ蛔虫.大橋裕一・望月 學(編):眼微生物事典.252-259,メジカルビュー社,1996
4)原田敬志:寄生虫によるぶどう膜炎.増田寛次郎・宇山昌延・臼井正彦・他(編):ぶどう膜炎.203-207,医学書院,1999
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13)飯野弘之・並木美夏・永井祐喜子・他:トリアムシノロン併用硝子体手術が有効であった眼トキソカラ症の1例.あたらしい眼科 21:385-388,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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