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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻10号

2007年10月発行

文献概要

やさしい目で きびしい目で・94

ひと言(1)

著者: 祐森弘子1

所属機関: 1祐森クリニック

ページ範囲:P.1941 - P.1941

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 私たちは,日常,患者さんからさまざまなことを教えていただいている。「これは,もらった!」と気づくか気づかないか,受け取る側の個人差はあるかもしれないが,言葉もその1つだと実感している。

 眼科の場合,視力が特に重要なのは,自動車運転免許の更新のときである。診療中に「車の免許の更新はいつですか」との私の質問に「今年です」と患者さんが答えられるので,“いまは免許の更新の話をしているのだなぁ”とお互いわかっているつもりであった。しかし,その次に「おお(大)型ですか」と聞くとなぜか「いいえ,私は,えい(A)型ですわ」との答えが返ってきてしまった。話の流れが,わかっているのは私だけだったのだ。私は,“違う,違う。いまは車の話ですよ。”でも,なるほど,こういう捉え方もあったのかと,「おお」という言葉について一人納得しつつも,笑うのを相当我慢して「普通免許ですね」と問い直した。「そう,普通免許です」と,やっと予想どおりのごく普通の答えが返ってきた。当の本人は,この面白さに気づいていない様子であったが,もし私が,「免許は大型ですか」と主語をしっかり言えば,こういう展開になっていなかっただろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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