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特集 眼科専門医に必要な「全身疾患と眼」のすべて 1.周産期異常
産道感染,分娩時障害
著者: 都筑昌哉1
所属機関: 1福井大学医学部感覚運動医学眼科学
ページ範囲:P.24 - P.27
文献購入ページに移動産道感染
母親が,産道に感染を起こしていると,分娩時に新生児に感染し,結膜炎を発症することがある。産道感染により新生児結膜炎を起こすものとしては,淋菌,黄色ブドウ球菌,連鎖球菌,髄膜炎菌,モラクセラ,緑膿菌などの細菌,マイコプラズマ,クラミジア,単純ヘルペスウイルスなどがある1,2)が,淋菌による結膜炎とクラミジアによる新生児封入体結膜炎が代表である。淋菌,クラミジアのいずれも,母親の子宮頸管に感染していると新生児に産道感染を起こすが,母親に感染による自覚症状がない場合(無症候性感染)も多く注意を要する。
母親が,産道に感染を起こしていると,分娩時に新生児に感染し,結膜炎を発症することがある。産道感染により新生児結膜炎を起こすものとしては,淋菌,黄色ブドウ球菌,連鎖球菌,髄膜炎菌,モラクセラ,緑膿菌などの細菌,マイコプラズマ,クラミジア,単純ヘルペスウイルスなどがある1,2)が,淋菌による結膜炎とクラミジアによる新生児封入体結膜炎が代表である。淋菌,クラミジアのいずれも,母親の子宮頸管に感染していると新生児に産道感染を起こすが,母親に感染による自覚症状がない場合(無症候性感染)も多く注意を要する。
参考文献
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