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特集 眼科専門医に必要な「全身疾患と眼」のすべて 4.中枢神経疾患
脳血管障害
著者: 堀江長春1 清澤源弘2
所属機関: 1東京医科歯科大学眼科学教室 2清澤眼科医院
ページ範囲:P.70 - P.73
文献購入ページに移動脳血管障害は,処置が遅れると死亡したり重篤な後遺症につながる危険があるため救急対応が必要なことが多い。脳卒中の五大症状(表1)の1つに視力障害が挙げられているように,患者が脳血管障害とは思わずにまず眼科を受診することは稀ではない。また,突然の意識障害や手足の麻痺が伴えば,患者や家族の多くが最初から脳血管障害を疑って脳外科などを受診することが考えられるが,眼科をまず訪れた脳血管障害患者ではむしろ眼以外の症状は乏しく,判断が難しい症例であるかもしれない。眼科外来には高齢者,高血圧,糖尿病といった脳血管障害のリスクをもった患者が来院することも多い。このような状況で,脳血管障害を見逃さない一番のポイントは結局,基本診察を確実に行うということにつきる(表2)。
忙しい外来診察でこれらを毎回行うには時間がとられると思うかもしれない。しかし,一般医が日常診療で主に行う細隙灯顕微鏡検査や眼底検査以外の項目も,どれも簡便に,特別な機械がなくても救急対応が必要な状態かどうかのスクリーニングレベルの検査が可能なすぐれた方法である。きちんと1つ1つの基本診察を行うことによって疾患の見落としは格段に減るだろう。
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