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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻11号

2007年10月発行

文献概要

特集 眼科専門医に必要な「全身疾患と眼」のすべてコラム 眼科研究こぼれ話

きっかけは1つの内科症例だった

著者: 岡田アナベル あやめ1

所属機関: 1杏林大学

ページ範囲:P.83 - P.83

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 学生の頃は内科に強い関心をもっていた。Harvard Medical School(医学大学院)在学中は,3年間循環器内科の教授のラボで基礎研究を行い,学位論文のタイトルは“Calcium homeostasis in cultured chick myocardial cells”だった。Medical schoolの3~4年目(日本の医科大学の5~6年目相当)のクリニカルクラークシップに回ってからは,ほとんどの臨床科に興味をもった。各科の非常に優秀な先生が貴重な時間を割いて教えてくださったからだと思う。眼科もそのなかの楽しい経験の1つだった。

 卒業後,最初の1年間は内科のインターンシップを選び,Massachusetts General Hospitalで働いた。3日に1回で2人体制の当直があり,当直の夜はほとんど寝ることがなかった。病棟業務はチームで行い,1つのチームは3年目の医師(senior resident)1名,2年目の医師(junior resident)3名,1年目の医師(intern)3名,それにクラークシップ中の3~4年生(学生)数人で構成されていた。チームすべての業務のチェック,指導および全体の責任者はファカルティの先生(attending physician,日本では講師以上の教師に相当する医師)であり,毎日朝7時頃からチームのメンバーが彼/彼女とともに回診を行い,新しく入院した患者のプレゼンテーションや他の患者のケアについてのカンファレンスを行った。おおむね正午くらいにカンファレンスが終了すると,前夜当直だった先生と学生が帰宅するルールになっていた。よく生き抜いたと思うほどハードなスケジュールにもかかわらず,楽しい思い出しかない1年であった。しかもその1年間に経験した症例がきっかけで,眼科に入ることを決めた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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