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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻11号

2007年10月発行

文献概要

特集 眼科専門医に必要な「全身疾患と眼」のすべて 7.糖尿病

網膜症

著者: 石田晋1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.128 - P.135

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疫学

 糖尿病網膜症は腎症・神経症と並んで糖尿病三大合併症の1つであり,持続する高血糖に伴う細小血管障害である。わが国では,糖尿病患者の増加に伴い失明原因の第2位となっている。日本人は欧米人に比べてインスリンが分泌されにくいことから糖尿病にかかりやすく,食生活の欧米化などにより肥満人口が増加したことも相まって,糖尿病人口は50年前の30倍と爆発的に増加している。現在わが国における糖尿病人口は670万を超え,うち網膜症を合併しているのは15~30%くらいと考えられる。毎年4,000人以上もの糖尿病患者が網膜症により0.02未満という著しい視力障害を合併している。糖尿病の罹患期間が長いほど網膜症の有病率は高くなり,罹患期間が5年以内では20%以内であるが,10年では約50%近くなり,15年以上では約80%に上る。網膜症の発症・進行の危険因子として糖尿病罹患期間・高血糖はもとより,高血圧・高脂血症なども指摘されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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