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特集 眼科専門医に必要な「全身疾患と眼」のすべてコラム 眼科研究こぼれ話
エンドセリン1,一酸化窒素と眼疾患
著者: 奧英弘1
所属機関: 1大阪医科大学
ページ範囲:P.221 - P.221
文献購入ページに移動 ご承知のように網膜や視神経乳頭循環には,組織の代謝状態に応じて一定の血流量が維持される自動調節能が備わっています。神経支配のないこれらの組織で自動調節能が維持されるためには,さまざまな機構が関与していますが,毛細血管レベルで何らかの役割が担われていると考えられています。
1980年にFurchgottにより,アセチルコリンによる血管弛緩反応に血管内皮細胞の存在が必須であることが報告され,1983年にはYanagizawaらにより血管内皮由来の強力な血管収縮因子であるエンドセリン1(endothelin-1:ET-1)が発見されました。その後,弛緩因子の本体が一酸化窒素(nitric oxide:NO)であることが同定され,血管内皮細胞由来のこれらの化合物が,血管運動に重要な働きをしていることが明らかになりました。眼科領域でもET-1やNOが,網膜や視神経の自動調節能や,循環障害を介したさまざまな眼疾患の病態に深く関与していると考えられるようになりました。
1980年にFurchgottにより,アセチルコリンによる血管弛緩反応に血管内皮細胞の存在が必須であることが報告され,1983年にはYanagizawaらにより血管内皮由来の強力な血管収縮因子であるエンドセリン1(endothelin-1:ET-1)が発見されました。その後,弛緩因子の本体が一酸化窒素(nitric oxide:NO)であることが同定され,血管内皮細胞由来のこれらの化合物が,血管運動に重要な働きをしていることが明らかになりました。眼科領域でもET-1やNOが,網膜や視神経の自動調節能や,循環障害を介したさまざまな眼疾患の病態に深く関与していると考えられるようになりました。
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