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特集 眼科専門医に必要な「全身疾患と眼」のすべて 13.皮膚疾患
Stevens-Johnson症候群,多型滲出性紅斑,天疱瘡・類天疱瘡
著者: 熊倉重人1
所属機関: 1東京医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.268 - P.273
文献購入ページに移動Stevens-Johnson症候群と多型滲出性紅斑
Stevens-Johnson症候群(SJS)は高熱とともに口唇,眼結膜,外陰部などの皮膚粘膜移行部に高度な粘膜病変(発赤,びらん,出血など)を生じ,皮膚には紅斑,水疱,表皮剝離などを認める重篤な全身性疾患である。その多くは薬剤が原因と考えられているが,一部はウイルスやマイコプラズマ感染に伴って発症することもある。粘膜皮膚眼症候群はStevens-Johnson症候群と同義語である。
多型滲出性紅斑は,四肢伸側の末端部や顔面に斑状丘疹状紅斑や標的状病変(target lesion)を生じ,時に病変中央に水疱形成を伴ったり,口腔粘膜病変を伴うこともあるerythema multiforme minor(以下,EM minor)と,皮膚病変に加え口唇・口腔粘膜病変,眼結膜病変,陰部・尿道粘膜病変などの粘膜症状を呈するerythema multiforme major(以下,EM major)の2つに分けられる。正確な病因は不明であるが,感染(単純ヘルペス,マイコプラズマ,B型肝炎ウイルス,C型肝炎ウイルス,サイトメガロウイルス,溶血性連鎖球菌,非定型抗酸菌など),薬剤,食物,内臓悪性腫瘍などの誘因に対する免疫アレルギー反応によって臨床像が形成されている。
Stevens-Johnson症候群(SJS)は高熱とともに口唇,眼結膜,外陰部などの皮膚粘膜移行部に高度な粘膜病変(発赤,びらん,出血など)を生じ,皮膚には紅斑,水疱,表皮剝離などを認める重篤な全身性疾患である。その多くは薬剤が原因と考えられているが,一部はウイルスやマイコプラズマ感染に伴って発症することもある。粘膜皮膚眼症候群はStevens-Johnson症候群と同義語である。
多型滲出性紅斑は,四肢伸側の末端部や顔面に斑状丘疹状紅斑や標的状病変(target lesion)を生じ,時に病変中央に水疱形成を伴ったり,口腔粘膜病変を伴うこともあるerythema multiforme minor(以下,EM minor)と,皮膚病変に加え口唇・口腔粘膜病変,眼結膜病変,陰部・尿道粘膜病変などの粘膜症状を呈するerythema multiforme major(以下,EM major)の2つに分けられる。正確な病因は不明であるが,感染(単純ヘルペス,マイコプラズマ,B型肝炎ウイルス,C型肝炎ウイルス,サイトメガロウイルス,溶血性連鎖球菌,非定型抗酸菌など),薬剤,食物,内臓悪性腫瘍などの誘因に対する免疫アレルギー反応によって臨床像が形成されている。
参考文献
1)Thomas BA:The so-called Stevens-Johnson syndrome. BMJ 1:1393-1397, 1950
2)Dowd PM, Champion RH:Erythema multiforme. In:Champion RH et al(eds):Textbook of Dermatology. 6th ed. 2081-2085, Blackwell Science, Oxford, 1998
3)Roujeau J-C, Kelly JP, Naldi L et al:Medication use and the risk of Stevens-Johnson syndrome or toxic epidermal necrolysis. N Engl J Med 333:1600-1607, 1995
4)Ashby DW, Lazar T:Erythema multiforme exudativum major(Stevens-Johnson syndrome). Lancet 1:1091-1095, 1951
5)橋本公二:水疱症,膿疱症の定義,分類.玉置邦彦(編):最新皮膚科学大系6.水疱症,膿疱症.2-3,中山書店,東京,2002
6)天谷雅行:天疱瘡の病態生理.玉置邦彦(編):最新皮膚科学大系6.水疱症,膿疱症.6-20,中山書店,東京,2002
7)天谷雅行:腫瘍随伴性天疱瘡.玉置邦彦(編):最新皮膚科学大系6.水疱症,膿疱症.54-59,中山書店,東京,2002
8)Chan LS, Ahmed R, Anhalt GJ et al:Mucous membrane pemphigoid:definition, diagnostic criteria, pathogenic factors, medical treatment and prognostic factors. Arch Dermatol 138:370-379, 2002
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