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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻11号

2007年10月発行

文献概要

特集 眼科専門医に必要な「全身疾患と眼」のすべて 15.薬物・化学物質中毒

薬物中毒

著者: 近間泰一郎1

所属機関: 1山口大学医学部眼病態学講座

ページ範囲:P.310 - P.315

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はじめに

 種々の疾患に対する治療薬は,治療の対象となる病態に対する有効性を有していると同時に,副作用を生じる可能性を常にはらんでいる。その副作用の1つとして眼症状が出現することがある。特徴的な所見を呈する薬物の副作用以外では,眼所見のみから原因薬剤にたどり着くことが困難な例も多い。また,眼症状を自覚した患者が薬剤の副反応としての症状であると認識して眼科を受診している例は非常に稀である。したがって,使用薬剤の聴取を含めた十分な問診が非常に重要となる。

 本項では,代表的な症例を呈示しながら各種薬剤の眼に対する副作用についてまとめた。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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