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特集 眼科専門医に必要な「全身疾患と眼」のすべて 18.詐病
詐病
著者: 若倉雅登1
所属機関: 1井上眼科病院
ページ範囲:P.336 - P.338
文献購入ページに移動詐病と虚偽性障害
詐病(malingering)とは,経済的利得や法的責任の回避など,それによって自分に有利に運ぶために偽って病気を装うことであり,このうち視力・視野に障害がないか軽度であるのに,重度の視機能障害を装うものを詐盲と称する。一方,現実的利得を目的とせず,同情など精神的利益を目的として病人であることを演ずるものを虚偽性障害(factitious disorder)と呼称する。後者としてMunchausen(ミュンヒハウゼン)症候群が有名である。
詐病(malingering)とは,経済的利得や法的責任の回避など,それによって自分に有利に運ぶために偽って病気を装うことであり,このうち視力・視野に障害がないか軽度であるのに,重度の視機能障害を装うものを詐盲と称する。一方,現実的利得を目的とせず,同情など精神的利益を目的として病人であることを演ずるものを虚偽性障害(factitious disorder)と呼称する。後者としてMunchausen(ミュンヒハウゼン)症候群が有名である。
参考文献
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