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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻12号

2007年11月発行

文献概要

臨床報告

子宮頸管スクリーニング検査後に発症した新生児クラミジア結膜炎の2例

著者: 村瀬寛紀1 堀由起子2 望月清文3 太田俊治4 高木敦志4 伊藤綾子4 山田信二5 山岸由佳5 三鴨廣繁6

所属機関: 1岐阜県立下呂温泉病院眼科 2国民健康保険関ヶ原病院眼科 3JA岐阜厚生連中濃厚生病院眼科 4JA岐阜厚生連中濃厚生病院産婦人科 5JA岐阜厚生連中濃厚生病院小児科 6岐阜大学嫌気性菌研究分野

ページ範囲:P.2037 - P.2042

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要約 目的:出産前にスクリーニング検査を受けた母親から生まれた2例に新生児クラミジア結膜炎が発症した報告。症例:生後19日の女児と16日の男児に新生児クラミジア結膜炎が発症した。いずれも片眼に罹患し,主訴はそれぞれ血性眼脂,眼瞼腫脹と眼脂であった。両症例とも蛍光抗体染色とクラミジアPCR法でクラミジア抗原が陽性であった。1例の母親は妊娠34週目のスクリーニング検査では陰性,分娩後の検査では陽性であり,他の1例の母親は妊娠28週目のスクリーニング検査で陽性であり,クラリスロマイシンの投与を受けていた。結論:クラミジア感染についての出産前スクリーニング検査では,検査時期の再検討が望まれる。検査で陽性であった母体から出生した児には注意深い経過観察が必要である。

参考文献

1)山崎 勉:クラミジア感染症の予後.産婦人科の実際 49:1347-1352,2000
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3)三鴨廣繁・玉舎輝彦・田中香お里・他:性器クラミジア感染症の現況と対策.化療の領域 21:1113-1120,2005
4)熊本悦明・塚本泰司・西谷 巌・他:本邦における性感染症流行の実態調査(疾患,性,年齢別,10万人・年対罹患率)1998年度報告.日性感染症誌 10:40-60,1999
5)鈴木克也:クラミジア結膜炎の臨床的ならびに病因学的研究.横浜医学 49:425-430,1998
6)保田仁介:若年女性の性器クラミジア感染症.日本医師会雑誌 126:1141-1144,2001
7)中川 尚:乳幼児のクラミジア感染症について教えて下さい.あたらしい眼科 17:175-177,2000
8)三鴨廣繁・玉舎輝彦:クラミジア子宮頸管炎患者における服薬コンプライアンスの検討.日化療会誌 50:171-173,2002
9)中川 尚・大橋裕一:眼科診療プラクティス21(眼科感染症治療戦略):78-81,1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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