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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻12号

2007年11月発行

文献概要

臨床報告

福岡大学病院眼科におけるぶどう膜炎の統計

著者: 小沢昌彦1 野田美登利1 内尾英一1

所属機関: 1福岡大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.2045 - P.2048

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要約 目的:福岡大学病院眼科での内因性ぶどう膜炎の報告。対象と方法:過去15か月間に受診した内因性ぶどう膜炎84例を診療録の記述に基づいて検索した。男性40例,女性44例であり,年齢は7~79歳(平均45歳)であった。結果:片眼発症と両眼発症はともに42眼であった。内訳は,サルコイドーシス10例(12%),急性前部ぶどう膜炎9例(11%),原田病7例(8%),ヘルペス性虹彩毛様体炎5例(4%),Behçet病3例(4%)などであり,30例(36%)が分類不能であった。治療として47例(56%)に副腎皮質ステロイドが全身投与されていた。結論:ヘルペス性虹彩毛様体炎が多かったのは,PCRにより積極的にウイルスDNA同定が行われたためである。急性前部ぶどう膜炎については,診断基準の確立が望まれる。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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