臨床眼科61巻12号

2007年11月発行

臨床報告

動力草刈り機作業中にフェイスシールドを装着していたにもかかわらず穿孔性眼外傷をきたした2例

著者： 小池生夫¹² 小池直栄¹ 大原進¹² 相馬利香³ 久保田敏昭³ 田原昭彦³ 石橋達朗¹

所属機関： ¹九州大学大学院医学研究院眼科学分野 ²飯塚病院眼科 ³産業医科大学眼科学講座

ページ範囲：P.2065 - P.2069

要約　目的：フェイスシールドを装着して動力草刈り機で作業中に異物が飛来し，穿孔性眼外傷が起こった2症例の報告。症例：2例とも男性で，年齢はそれぞれ51歳と61歳である。1例では異物がアクリル製のフェイスシールドを打ち抜き，シールドの破片が左眼角膜を穿孔した。角膜を縫合し硝子体切除を行った。他の1例では異物がフェイスシールドと顔面との隙間から飛入し，左眼角膜を穿孔した。角膜を縫合し水晶体乳化吸引術，眼内レンズ挿入術を行った。2症例とも経過は良好で視力が回復した。結論：動力草刈り機で作業中の眼外傷の予防には，フェイスシールドでは不十分なことがあり，ポリカーボネート製で隙間がない保護眼鏡が有効であると推定される。

参考文献

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